ベルルッティの歴史を知る

ベルルッティの創業者であるアレッサンドロ・ベルルッティは、イタリア・マルケ州で生を受けた。指物師であったアレッサンドロは、旅のサーカス団のために靴や舞台の道具などを作りながらヨー口ッバ各地を回り、花の都バリに到着。1895年に靴工房を開いたところからブランドの歴史は幕を開ける。アレッサンド口の靴は当初から他にない個性を持っていたが、その独創性の基盤が舞台衣装用の靴製作を通じて培われたことは想像に難くない。創異者の名を取って「アレッサンドロ」と名付けられたホールカットシューズの原型もこのころ生まれている。

常識を打ち破るベルルッティの独創性は靴を”芸術”に昇華させた

その後1928年には、後を維いだ息子のトレロがパリのモンタボー通りにブティックをオーブン。さらに、1959年には3代目のタルビーニオが既製靴ラインを発表した。第二次大戦後には世界的な著名人も顧客に名を連ねるようになり、その名を広く轟かせていく。

ベルルッティ一族
ブランドの基盤を築いたベルルッティ一族。右から、創業者のアレッサンドロ、その息子トレロ、3代目タルビーニオ。彼らの肖像にもどこか芸術家のような雰囲気が漂う。
パティーヌに使われるオイル
ベルルッティの代名詞、パティーヌに使われるオイル。秘伝のレシピにより、独自の色合いを表現する。
「アレッサンドロ」の原型
「アレッサンドロ」の原型。当初はブレイク(マッケイ)製法ではなく、ノルウィージャン製法によって作られていた。

こうして躍進を重ねていったベルルッティだが、4代目当主・オルガの就任により、さらなる”革命”の時期を迎えることになる。オルガはアッバーにグレー、紫、緑など複数の色を塗り重ね、まるで絵画のように複雑な色合いを持った靴を発表。かつて前例のないこの表現は「バティーヌ」と呼ばれ、ベルルッティのアーティスティックなイメージをさらに高めることになった。その芸術性はウィンザー公やアンディ・ウォーホル、ジャン・コクトーといった著名人を虜にし、以来、唯一無二のメゾンとして確固たる地位を不動のものとしている。

4代目当主のオルガ・ベルルッティ
「ブランドの革命者、4代目当主のオルガ・ベルルッティ。映画『女優マルキーズ』で舞台衣装総監督を務めるなど、幅広い才能の持ち主。アンディ・ウォーホルのために作ったローファーは現在も代表モデルになっている。

常に独創的な変化を続ける芸術家ベルルッティ。その気高き精神こそ、いつまでもファンを魅了し続けるオーラの源なのかもしれない。

ベルルッティ青山本店はライフスタイルも提案できるラグジュアリーショップ

青山に構えるベルルッティの旗艦店は、日本での出店第一号店でもある。広い靴の展示スペースとともにバッグ、革小物などアイテムごとにコーナーが設けられ、注目のウェアラインも展開されている。

個性的な靴の魅力を十二分に引き出すトータルスタイルが提案され、よりベルルッティの世界観を楽しめるようになったのが最大の特徴だろう。ファンにとって、ますます魅力的な空間になっている。

日本での出店第一号店
日本での出店第一号店

ベルルッティ青山本店
東京都港区南青山1-1-1 青山ツイン1F
TEL.03-5775-3451
営業時間:11時~20時(日曜・祝日~19時)
不定休

2025

VOL.345

Spring

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