PR

七五三木 敏幸(しめぎ としゆき)さん
1958年生まれ。一橋大学卒業後に銀行へ就職するが、大のクルマ好きも手伝って1989年にメルセデス・ベンツ日本へ転職。その後クライスラー日本の代表取締役兼CEOなどを経て2014年よりポルシェジャパン 代表取締役社長に。就任3年で販売台数を4割以上伸ばすなど同社の躍進を牽引する。ファッション好きでも知られ、エルメスのバッグやバルバのシャツを愛用するほか、靴のコレクションは約300足を数えるほど。
5月28日、フルモデルチェンジされた新型ポルシェ「911」の日本初披露となる記者発表会が行われた。7年ぶりとなるニューモデルの詳細はすでに各メディアで報道されているとおりだが、当記事では少し視点を変えて、代表取締役社長 七五三木 敏幸氏のプレゼンテーション術についてご紹介したい。
インターナショナルな企業の日本トップに相応しく、ときに身振り手振りを加えながらの明快なプレゼンは大いに記者たちの注意と興味を引きつけるものだったが、その話術に加えて、実は服装にも極めて戦略的な意図が秘められていた。
「発表会で最も強く意識しているのは”どういったお客様にアピールするか”ということ。クルマにはそれぞれキャラクターがあり、それによって購入されるお客様の層も異なります。ですので、訴求すべきお客様から共感をいただけるよう、服装のテイストもクルマに合わせて変えているのです。たとえば昨年の新型『マカン』発表会では、コーデュロイのジャケットにウールのネクタイ、パンツはジャージー素材とあえてカジュアルな服装で臨みましたし、『カイエン』の発表会時にはネイビースーツで正統派にまとめました。『911』の場合は、オーセンティックでありながらも少しだけ艶気のある服装がイメージでしたね。911は夢を実現させ、社会で成功した人を象徴するクルマ。王道を知りつつ、魅力的な個性を輝かせる人のためのクルマです。そんなイメージを具現化するために、今回はファッションディレクターの森岡 弘さんを起用して服装を決めました。ぴったりのスタイリングをご提案いただいて、とても満足しています」
新型911の発表は朝&昼と夜に分けて行われたが、舞台装置や服装も昼と夜で変えるほどのこだわりぶり。次のページでは、その詳細をご紹介しよう。