

前回に引き続き、「ビームスF」40年の歴史を作ってきた希少なアーカイブをご紹介。今、様々なアイテムが’80年代後半〜’90年代前半からのリバイバルを遂げているが、今回のアーカイブコレクションを通してそのルーツを訪ねることができる。温故知新のファッションを実践するうえで、このうえなく貴重な資料になるはずだ。

ビームスFの創成期から展開し続け、ロングセラーブランドNo.1を誇るのがチャーチ。「フェアフィールド」(左)、「ライダー」(右)ともに今も定番のモデルだが、こちらのフェアフィールドは旧ラスト「73」が採用されている(現在はよりボリュームのあるラウンドトウ「81」ラストに変更)。ラストは変われど同じモデルを何十年も展開し続け、常に定番として愛されるチャーチの偉大さがわかるアーカイブだ。

’80年代後半のアーカイブ。ビスポーク主体の靴ブランドで、のちに英国の洋品店「ニュー&リングウッド」の傘下に入っている。右は「エプロンフロントローファー」と呼ばれるデザインで、当時はリーバイス501と合わせて履くのがお決まりだったそうだ。ちなみにこちらと同デザインを復刻したクロケット&ジョーンズの「ギャビン」が現在発売中。

GLENROYAL(グレンロイヤル)のクラッチ〈右〉
’80年代後半においては、今よりずっと多くの”装いのセオリー”があったという。”英国調スーツには英国調バッグを合わせる”というのがそのひとつで、開口部が弓なりにカーブした「ボウトップ」のダレスバッグも当時の定番だった。右はクラッチバッグの草分け的存在となったもので、こちらも’80年代の作。重厚なブライドルレザーや金具の意匠に、英国の趣が色濃く薫っている。サイズ感も現在の主流とは少し異なり、若干横長のシェイプ。