

2018年で誕生40周年を迎えた「ビームスF」。ドレスクロージングの殿堂といえる同レーベルでは、フレンチトラッド、ブリティッシュ、クラシコイタリアといった様々なムーブメントを牽引した、歴史的マスターピースがいくつも生まれてきた。それら貴重なアーカイブを一堂に集めた特別展示が去る11月23〜25日に同店2階で開催されたが、見逃してしまった方&改めてじっくり見たいという方のためにM.E.ONLINEでも特別公開! 各アイテムの解説つきでご紹介しよう。

BARLOWS(バーロウズ)のP&Oパーカ
「P&Oパーカ」とよばれる、英国のクラシックなアウトドアウェアのアーカイブ。1980年代、ビームスFスタッフの間ではこれとM-65が二大マスト・ハブ・アウターだったそう。ロンドンの名店「ブラウンズ」のスタッフたちがこぞって着用していたのがそのルーツになっている。当時はカジュアル使いだけでなく、スーツの上にP&Oを着るスタイルもお決まりだったそう。素材は撥水性のある高密度のコットンで、現在では非常に希少な素材になっている。

BIEZOTTO(ビエゾット)のダッフルコート
’80年代前半のアーカイブ。ウォータープルーフの生地や内部が空洞になったトグルなど、ダッフルコートのル—ツとされる漁師用作業着のスペックがいたるところに再現されているのが特徴。ビームスFスタッフたちの間でも当時、”本物のダッフルコート”として人気を集めていたそう。トグルを留める編み紐のデザインや肩を覆うストームパッチの形状など、現在定番とされている英国ダッフルとは一味違う表情が魅力的。

SARTORIA PARMA(サルトリア パルマ)のコート
2000年代前半に展開していたメイド・イン・イタリーのビームスオリジナルブランド。生産を手掛けたのは名だたるビッグメゾンのOEMも手掛ける有名ファクトリーで、ブランド名のとおり北イタリアのパルマで作られている。フル毛芯による本格仕立てで、アームホールの形状など細かなところまでビームスがリクエストして完成させた一着。ダブルブレストだが比翼仕立てになっており、ミニマルにデザインされているのもユニークだ。
まだまだある! 歴史的名作コート
時代感を反映したジャケット&スーツのアーカイブも面白い!

WINDSOR & SIMPSON(ウィンザー&シンプソン)のジャケット
ビームスF初めてのオリジナルブランドで、’70年代後半〜’80年代中頃まで展開していたもの。こちらのジャケットはリングヂャケット製で、ビームスとリングのパートナーシップがいかに長きにわたるものかを教えてくれる。ウエストの絞りが少ないズートボディに2つボタン、生地はがっしりとしたツイードと当時の主流に則ったもので、大ヒットを記録したアイテム。ちなみにブランド名は英国のウィンザー公とその妻ウォリス・シンプソンにあやかって付けられたそうだ。

OLD ENGLAND(オールド イングランド)のジャケット
1980年代後半、フレンチトラッドがブームとなる中で、パリのビッグネームとして当時から知られていたショップがオールド イングランド。この時代は多くのアイテムが英国で生産されていて、このジャケットも英国の超有名メーカー製。低いゴージラインの2つボタンは当時のヨーロッパでは定番的なモデルだった。これにホワイトデニムやイエローのパンツを合わせるのがパリ的とされていたそう。

ISAIA(イザイア)のチェックジャケット
クラシコイタリアブームを牽引したイザイア。このジャケットは2000年代前半のアーカイブだ。今のものと比べるとスタイルがかなり異なっており、ゴージラインの傾斜が強いのが特徴的。ナポリのビスポークサルトのような雰囲気を醸し出している。グリーンのチェック柄も当時の流行に即したものだ。
超レアなアーカイブジャケット&スーツの数々を公開
さて、今回はアウター、スーツ、ジャケットのアーカイブをご紹介したが、パート2では靴や小物の名作が登場。こちらもお見逃しなく!
撮影/岡田ナツ子 文/小曽根広光