いまやすっかりブームからジャンルに定着した、腕時計界の一大トレンド「ラグジュアリースポーツウォッチ(ラグスポ)」。入手困難な弩級モデルから、手の届くラグスポテイストモデルまでを1冊にまとめたバイヤーズガイド『ラグジュアリースポーツウォッチ大全』から、その中身をご紹介しよう。
新素材“サンドゴールド”を纏ったフライング トゥールビヨン
AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ)
ロイヤル オーク フライング トゥールビヨン オープンワーク

【SPEC INFORMATION】
ケースサイズ:41mm ケース素材:18Kサンドゴールド ブレスレット:18Kサンドゴールド 巻き上げ:自動巻き 搭載キャリバー:Cal.2972 防水性能: 5気圧 振動数:毎時2万1600振動 パワーリザーブ:約65時間
価格:要問い合わせ

WGとPGの間のようなどこにもない色
高級ブランドのステンレススティール製モデルとして誕生した“元祖ラグスポ”ロイヤル オークだが、その試作品はホワイトゴールド素材で作られていた。また、1977年にはイエローゴールド製のレディスモデル「ロイヤル オークⅡ」が登場。同年、メンズモデルにも初のイエローゴールドとホワイトゴールドが追加された。腕時計では長らくホワイト、イエロー、ピンクゴールドが金ケース素材の大勢を占めていたが、近年は、各社独自のゴールドを開発。オーデマ ピゲも独自のゴールドケースを採用した「ロイヤル オーク フライング トゥールビヨン オープンワーク」を発表した。
6時位置にフライングトゥールビヨンを配したこちらの新作は、シンメトリーデザインのオープンワークを時計の両面に採用した1本。最新テクノロジーを駆使し、まずブリッジと地板はデジタル機械(CNC)でカットし、次に放電機械(EDM)でディテールを整える。これを手仕上げすることによりモダンで立体的、かつエレガントなオープンワークとなる。
そして外装には独自の“サンドゴールド”を取り入れた。太陽に輝く砂丘にちなんで名付けられたこの素材は、金に銅とパラジウムを加えた暖かい色が特徴。ホワイトゴールドとピンクゴールドの中間の色みが光によって微妙に変化し、経年による黄ばみや変色にも強い。このサンドゴールド製のケースとブレスレットにサテン&ポリッシュ仕上げを使い分けたことで高級感もいっそうアップ。
さらにオープンワークのブリッジと地板までサンドゴールド仕様に。これにガルバニック加工を施してグレー味を加える一方、トゥールビヨンをはじめとする輪列や裏面の22Kピンクゴールド製ローターはロジウム仕上げにしてコントラストを際立たせている。素材とデザインで差をつけた複雑系のラグスポだ。