いまやすっかりブームからジャンルに定着した、腕時計界の一大トレンド「ラグジュアリースポーツウォッチ(ラグスポ)」。入手困難な弩級モデルから、手の届くラグスポテイストモデルまでを1冊にまとめたバイヤーズガイド『ラグジュアリースポーツウォッチ大全』から、その中身をご紹介しよう。
よりラグジュアリーに進化するコンプリケーションモデル
AUDEMARS PIGUET(オーデマ ピゲ)
ロイヤル オーク パーペチュアルカレンダー“ジョン・メイヤー”

【SPEC INFORMATION】
ケースサイズ:41mm ケース素材:18Kホワイトゴールド ブレスレット:18Kホワイトゴールド 巻き上げ:自動巻き 搭載キャリバー:Cal.5134 防水性能:2気圧 振動数:毎時1万9800振動 パワーリザーブ:約40時間 200本限定
価格:要問い合わせ

ジョン・メイヤーとコラボした特別限定モデル
ロイヤル オークを筆頭に、数多くの人気コレクションをもつオーデマ ピゲだが、このブランドがトゥールビヨンやミニッツリピーターといった4大コンプリケーションをはじめとする複雑時計の名手だということを忘れてはならない。それこそ最高峰マニュファクチュールたる所以なのだ。そして、その人気コレクションにラインナップする複雑系モデルの代表格が「ロイヤル オークパーペチュアルカレンダー」である。
なかでも本作は、米国のミュージシャン、ジョン・メイヤーと共同開発した限定品。メイヤーはグラミー賞を7度受賞した人気実力派のシンガー/ ギタリストであると同時に、時計コレクターとしても知られ、同社とも長年友好関係を築いてきた。このモデルには、そんな彼の審美眼が大いに発揮されている。
まず注目は、煌く仕上げの“クリスタルスカイ”文字盤。独特のゴツゴツした質感のテキスタイルにPVD 技術を駆使した深みのあるブルーで、星々の煌めきを巧みに表現している。その9時位置に曜日、12時位置に月と閏年、3時位置に日付表示を置き、ホワイトゴールド製の針とインデックスがブルーの背景に映え、蓄光処理により暗闇でもくっきり浮かび上がる。また、アベンチュリン上にレーザー加工された月が美しい6時位置のムーンフェイズも高級感を引き立てる。
搭載するのは、4年に一度の閏年にも対応するパーペチュアルカレンダー機構のCal.5134。1978年に開発された名機Cal.2120/2800を受け継ぐ複雑系の薄型キャリバーだが、今回の200本限定モデルへの搭載をもって歴史に幕を下ろすという。その最後の作品がこのコラボモデルとなるのも複雑時計好きのジョン・メイヤーらしい選択といえる。複雑機構の名手の技が、ひときわラグジュアリーな人気ラグスポで味わえる1本なのである。