20歳になる前でも、40歳になってからでも楽しめる!? 初心者のための能公演「若者能」の魅力とは?

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『道成寺』の後半の場面で使う般若の能面
『道成寺』の後半の場面で使う般若の能面。『道成寺』は紀州・道成寺が舞台。清姫・安珍の伝説に基づく物語で、前半では女人禁制の鐘供養の場に白拍子の女性が登場し、舞を舞いながら鐘の中に飛び込む。後半、女性は蛇に姿を変え、鐘の中から現れ、僧侶と対峙する。最後は身を炎に包まれながら姿を消すというもの。

M.E. 舞台で上演されている内容から様々なインスピレーションを得ていいわけですね。ついつい、ちゃんとセリフを聞き取らないといけないとか、寝てはいけないと考えがちですが、もっと自由に自分なりの世界観を楽しめばよいと聞いて、だいぶ気が楽になりました(笑)。ほかに『道成寺』の見どころはありますか?

塩津  『道成寺』には乱拍子という演出があるのですが、そこには「動きがない、音がない」、いわゆる空白の時間が存在します。「無」を楽しんでいただくという究極のエンターテインメントな時間なのです。無になる瞬間はお客様も物音ひとつ立てられません。エンターテインメントとしてこんなことが成り立つのかと、無音で勝負する時間を会場全体で共有できるのも、この演目の魅力のひとつだと私は思います。

M.E. ありがとうございました。『道成寺』を拝見するのが楽しみです。

『道成寺』は能楽師がこれを演じて初めて一人前といわれる大曲。舞台上には大きな鐘が吊り下げられ、シテ(能の主人公役)が落ちてくる鐘の中に飛び込むシーンが最大の見どころ。重い装束を身に着けて、視界も面で制限される中、重さ80㌔超といわれる鐘が落ちてくる中に飛び込む緊張感みなぎる舞台だ。

分かりやすさがすべてではない。正解を知ることが正解なのではない。能についての解説を聞いているとそう感じることがある。若者から若者へ、大人から若者へ、そして若者から大人へ、20年にわたり受け継がれてきた「若者能」という能文化の発信。そのひとつの集大成である20周年記念公演は奥深き「能」の世界に触れる絶好の機会となることだろう。ぜひ、自分自身と向き合うひと時としても活用してみほしい。

第20回若者能「道成寺」概要

公演日時:2025年3月15日(土) 開場13:00 / 開演14:00
会場:国立能楽堂 東京都渋谷区千駄ケ谷4-18-1
詳細

●若者応援チケット:2万円
★特別Zoom講座や当日の特別体験などの特典の付いたチケット。
●一般チケット:1万円
Gettiにて発売

その他、チケット詳細はこちら

撮影=中島里小梨

2025

VOL.345

Spring

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