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薄型ケース自体が地板の役割を果たす厚さ2mmの薄型ウォッチ
自社の伝統技術を進化させて完成した極薄の完全一体型
近年は多くのブランドが自社の“最薄”時計を謳っているが、薄型時計のパイオニアといえばピアジェをおいて他にない。同社の薄型時計の歴史は半世紀近く前の1957年まで遡る。この年のバーゼルフェアで発表した手巻きキャリバー「9P」の厚さはわずか2mm。もちろん当時の最薄記録を打ち立てた。3年後の1960年には、独自のマイクロローターを考案することで、世界最薄の自動巻きキャリバー「12P」を開発。同製品は自動巻きながら厚さたった2.3mmの極薄を実現し、ピアジェ=薄型時計の名声を確立したのである。
その薄型時計の系譜を受け継ぐモデルが「アルティプラノ アルティメート コンセプト」だ。本作に搭載される手巻きCal.900P-UCの厚さは2mm。これは半世紀前と変わっていないように思えるが、驚くことにこのモデルはケース込みの厚みも2mmなのである。直径41mmのケースにムーブメントの地板を直接加工して一体化。ケース素材には超硬コバルト合金が採用され、衝撃で折れたり曲がったりすることはない。その上にムーブメントパーツを組み立て、2mm厚の中にすべてを収納。つまりケースとムーブメントが完全一体化した超薄型時計なのだ。
この極薄を実現するために、ムーブメントをはじめとするさまざまなパーツに薄型化が図られている。例えば輪列の歯車は0.2mmから0.12mm厚となり、サファイアクリスタルは厚さわずか0.2mmにサイズダウン。香箱もカバーなどを取り払った薄型となるが、セラミック製ボールベアリングの導入で40時間パワーリザーブを確保する。また、リューズは従来のクラウン型ではなく、ケースの一部を引き出して独自機構で巻き上げる一体型の“無限スクリュー”へと進化した。
薄型時計は長年培った技術をもとに、新たなアイデアを投入することで作られるものだと教えてくれる1本である。
この機構が凄い!
【Point 1】
コバルト合金ケースに直接加工したムーブメント素材に超硬度のコバルト合金を用い、極薄ながらも非常にタフなつくりとなる厚さわずか2mmのケース。このケースにムーブメントの地板を機械で直接加工した極薄一体型に作り上げたことで、ムーブメントと手首との間にはわずか0.12mmの隙間しか存在しない。
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【Point 1】
コバルト合金ケースに直接加工したムーブメント
素材に超硬度のコバルト合金を用い、極薄ながらも非常にタフなつくりとなる厚さわずか2mmのケース。このケースにムーブメントの地板を機械で直接加工した極薄一体型に作り上げたことで、ムーブメントと手首との間にはわずか0.12mmの隙間しか存在しない。
【Point 2】
0.12mmの歯車と0.2mmのサファイアクリスタル厚さ2mmの極薄ケース&ムーブメントに仕上げるため、それぞれのパーツを大幅に見直してサイズダウン。歯車は従来の厚さ0.2mmから0.12mmに、サファイアクリスタルもまた80%ダウンの厚さ0.2mmとなる。さらに香箱もカバーやドラムのない極薄スタイルに。
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【Point 2】
0.12mmの歯車と0.2mmのサファイアクリスタル
厚さ2mmの極薄ケース&ムーブメントに仕上げるため、それぞれのパーツを大幅に見直してサイズダウン。歯車は従来の厚さ0.2mmから0.12mmに、サファイアクリスタルもまた80%ダウンの厚さ0.2mmとなる。さらに香箱もカバーやドラムのない極薄スタイルに。
【Point 3】
ケースと一体化したはめ込み式のリューズゼンマイを巻き上げるリューズは、フラットな伸縮式の形状に改良されてケースと一体化。従来のスライド式ピニオンクラッチとリューズ歯車に代わり、単一の“無限スクリュー”を用いた。また、オフセンター文字盤のために特許取得の巻真も開発した。
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【Point 3】
ケースと一体化したはめ込み式のリューズ
ゼンマイを巻き上げるリューズは、フラットな伸縮式の形状に改良されてケースと一体化。従来のスライド式ピニオンクラッチとリューズ歯車に代わり、単一の“無限スクリュー”を用いた。また、オフセンター文字盤のために特許取得の巻真も開発した。
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※表示価格は本書発売時(2023年9月1日現在)の税込み価格です