2022年に刊行された『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』の第2弾として、「複雑時計編」が発売となった。本書ではここ数年ブームが続いている複雑時計に絞って、その魅力的な機能や難解に動く「しくみ」を、とにかくわかりやすく解説。奥が深いさまざまな複雑機構のしくみをご紹介しよう。
複雑機構の傑作ムーブメント【HUB1201】
新たに発明し、あるいは既存の機構を高性能に進化させる。複雑機構は、それを製作する時計ブランドの腕の見せ所だ。同じ機構を、いかにして独創的にして他社と差別化するか? 光るオリジナリティを、探る。
HUB1201

見た目とは裏腹に主輪列は古典的
2つの香箱が、ムーブメントの半分以上を占める。その間にありムーブメントの中央に置いた二番車が分針を動かし、三番車を介してスモールセコンドが載る四番車を動かす設計は、機械式の原点にして古典。全パーツを3つのブリッジで支える構造が美しい。
パワーリザーブ
ウブロ[ビッグ・バン メカ-10 チタニウム]
![ウブロ[ビッグ・バン メカ-10 チタニウム]](https://www.mens-ex.jp/wp/wp-content/uploads/2024/02/ME_2024_udedokeinoshikumi_fukuzatsu_p128_2.jpg)
多くの機構を覗かせるスケルトン
ギリギリまでスケルトナイズしたムーブメントが、ダイヤルに露わに。ゼンマイを巻き上げる際、パワリザーブ計のラック&ピニオンの動きが目視できるのも楽しい。自動巻き。径45mm。チタンケース。ラバーストラップ。
巻き上げ残量をダブル表示
ウブロの自社製ムーブメントには、独創的な機構が数多い。これは2つの巨大な香箱で、約10日間駆動を可能としている。約10日間動き続ける機械式ムーブメントだから、名前は「メカ‐10」。
そのダイヤル12時位置にある、ラック&ピニオン機構が、香箱と連動する設計。固定されたピニオンギアの回転によるラックギアの平行移動は、3時位置の制御ゼンマイが備わる中間車を介して6時位置にまで伝達され、日付単位の数字で示すパワリザーブ計を機能させる。ラック&ピニオンを用いたパワーリザーブ計は、唯一無二。さらに3時位置の中間車に小窓を設け、そこに現れる赤色の増減でも巻き上げ残量を知らせるしくみに。パワーリザーブ計のダブル搭載も他社には例はなく、独創性はさらに際立つ。
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『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ【複雑時計編】』
定価:2,420円(税込)
発⾏・発売:株式会社世界⽂化社
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