超複雑機構のしくみ④スプリットセコンド・クロノグラフとは?

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パテック フィリップで学ぶ
スプリットセコンド・クロノグラフのしくみ

ハートカムをなぞるレバーでスプリット秒針がクロノ秒針に追いつく

スプリットセコンド・クロノグラフのしくみ
スプリット秒針車の軸は、秒クロノグラフ車の中空の軸に差し込まれている。図のスプリット秒針車のハートカム【1】は、秒クロノグラフ車の軸に取り付けられ、一緒に回転する。

スタート・ストップ・リセット機能は、通常のクロノグラフとほぼ同じ。スプリットセコンド・クロノグラフの機構部には専用のコラムホイールが備わり、スプリット秒針車は、秒クロノグラフ車の軸に取り付けられたハートカム【1】にバネの力で押し付けられ、一緒に回転する。

リューズのボタンを押すとコラムホイールが回ってクランプを閉じ、スプリット秒針車を止めるが、ハートカム【1】は秒クロノグラフ車と同期して回転し続ける。その際大半のモデルはハートカム【1】とスプリット秒針車は接したままだが、パテック フィリップではクランプが閉じると同時にアイソレーターレバーのツメが隔離車にかかり、スプリット秒針レバー【2】を押し上げ、ハートカム【1】から分離する機構(アイソレーター)が備わる。再びリューズのボタンを押すとクランプとアイソレーターが解除され、秒クロノグラフ車と同期し、動き始める。スプリット秒針レバー【2】はスプリット秒針車に固定されている。そしてハートカムに接するレバーの内側終端がカムのくぼみに来るまでスプリット秒針車をバネの力で強制的に回し、スプリット秒針が追いつく。

キャリングアーム式のスプリットセコンド・クロノグラフの機構
キャリングアーム式のスプリットセコンド・クロノグラフのムーブメントは、見るからに複雑でかつ美しい。12時位置のシャポー(キャップ)の下にコラムホイールが隠れる。
 

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