ヴァルカンで学ぶ
アラームのしくみ
専用のアラーム香箱の動力でハンマーが裏蓋のピンを叩く
アラームウォッチの始祖、クリケットは、極めて簡潔な設計で機構を実現した傑作である。
主時針が載る筒車と重なるリリースホイールには、アラーム針が取り付けられている。筒車の裏には3つの突起が、リリースホイールには3つの穴が備わる。アラーム香箱が巻き上がっていても、音が鳴らないのは、筒カナの上に載るリリースレバーの先端がアラームパレットの動きを止めているから。そして主時針とアラーム針が重なると、筒車の3つの突起がリリースホイールの穴にすべて落ちて筒車が下がり、リリースレバーがアラームパレットから外れる。すると香箱の力でストライクホイールが回りはじめ、歯の先がアラームパレットの突起を次々と押す。それに伴いハンマーが高速で振動して、裏蓋の内側に取り付けられたピンを繰り返し叩いて音を鳴らす。



もっと知りたい方はこちら!

『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ【複雑時計編】』
定価:2,420円(税込)
発⾏・発売:株式会社世界⽂化社
購入は
こちら