
「すべての人に音楽の楽しさを」という想いから1980年に楽器事業をスタートしたカシオ。その後、2003年に誕生した電子ピアノブランドが「Privia」だ。初号機「PX-100」は“大きく、重く、高価”という当時のピアノの概念を覆し、デジタルピアノの普及に大きく貢献した。2019年にはSlim.Stylish.Smart.をコンセプトとした当時世界最小の「PX-S1000」、2022年にはStyle,Reimaginedをコンセプトにした最上位機種「PX-S7000」が登場した。
こうして20年にわたり、ユーザーのライフスタイルに調和する「ライフスタイルピアノ」としての地位を確立してきた電子ピアノ「Privia」の愛用者でありアンバサダーでもある二人の音楽家が集い、2023年11月にスペシャルトーク&ライブを開催した。
最高のピアノ演奏と歌声

アンバサダーの一人である角野隼斗さんは、ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ受賞、第18回ショパン国際ピアノコンクールセミファイナリストをはじめ、輝かしい経歴を誇るピアニスト。もう一人のホセ・ジェイムズさんは、ヴォーカル・ジャズの歴史を塗り替えたとまで言われる美声で知られるアメリカのシンガーだ。
この二人をつなぐのが、誕生から20周年を迎えるカシオの電子ピアノ「プリヴィア」である。
二人が登場したステージは、まるで普通の住宅のリビングルームのようにソファや照明、カフェテーブルが備えられた演出で、そこにプリヴィアの最上位モデル「PX-S7000」が置かれていた。”Design,Sound&Playability, Experience”のすべてを兼ね備え、ユーザーのライフスタイルに調和する「ライフスタイルピアノ」と言われるモデルだけあり、生活空間の中に調和する美しい佇まいがそこにあった。
プリヴィア PX-S7000はここがすごい


PX-S7000は2022年に誕生。スタンド・ペダル一体型で、グランドピアノのような本格的なタッチ、より美しいグランドピアノの音と響きを持ち味とする電子ピアノだ。そして、インテリアとしても楽しめるモダンでミニマルなデザインも見逃せない。
肝心のサウンドは、グランドピアノからエレクトリックピアノ、そのほか世界的に有名な楽曲で使用された楽器の音色まで幅広く搭載。そのなかには世界的に名器と呼ばれるグランドピアノの音色をはじめとした数々のピアノからサンプリングされて作られた音色までが含まれている。また、Bluetoothで音楽を聴くことも可能だ。
https://music.casio.com/jp/electronic-musical-instruments/privia/
オープン価格 ※実勢価格は「PX-S7000HM」27万5000円(税込) 「PX-S7000BK」25万3000円(税込) 「PX-S7000WE」25万3000円(税込) 専用ピアノ椅子「CC-7」4万9500円(メーカー希望価格)
そんな壇上に現れた角野さんとジェイムズさん。二人はアンバサダーになり、交流を始めるとすぐに打ち解けたそうだ。「緊張のなか、手探りでセッションを始めたが、演奏を重ねるごとに、なににも縛られず動いていけるパワーをもらっている」と角野さん。
ジェイムズさんは、「角野さんは最初シャイな印象だったけれど、弾き始めると才能がスパークして感動した。音楽は世界共通言語だから、翻訳は要らない。そして魂が共鳴するセッションができました」と、こちらも相性のよさを熱く語る。
最高の演奏と歌唱が観客を魅了する
そうして角野さんの演奏に合わせ、ジェイムズさんが熱唱。いざ、演奏が始まれば、多彩な音色を誇る電子ピアノ「Privia」ならではの表現力と抜群のピアノテクニック、低音で落ち着きがある甘い歌声のコンビネーションは、聴衆をたちまち虜にしてしまった。

曲間に行われるトークでは、プリヴィアにまつわるエピソードも紹介された。お二人とも子どものころから、家にあった電子ピアノに触れていたと語っており、電子楽器が身近な存在であったことがうかがえる。
プロが認めたPX-S7000の実力
角野さんはプリヴィアを長年プライベートで使っているとのこと。「小さくて軽いのに本格的な音が出せるし、弾いていて自分自身が楽しめる。プリヴィアに初めて触れたとき、軽くて小さいのに、こんなに本格的な演奏ができるのか!と感動しました」と評価は高い。
グランドピアノとの違いについて聞かれると、次のように答えた。
「音色のコントロールに関する部分が違います。音色が自由に変えられて、たとえばピアニッシモを弾きたいときには音量を変えることができます。ここがアコースティックとの違いです」

一方、ジェイムズさんは「まずはデザインに驚きました。こんなに美しい楽器は見たことがない。本体色のひとつ、ハーモニアスマスタードは私の拠点であるロサンゼルスにぴったり。サウンドはインクレディブル! すべてのパフォーマンスが高く、プリヴィアは真のライフスタイルブランドです。クリエイティブでいるために、身近にこんな楽器を置いておく必要があります」と絶賛する。
そして、二人が口を揃えるのが、どこにでも簡単に移動できる便利さだ。撮影のための屋外演奏、またアイデアを考えるために気分を変えたいときなど、気軽にいつもと違う環境で演奏を楽しむことができる。これは通常のピアノにはないメリットといっていい。

素晴らしいパフォーマンスの後、ひとまずステージは終了したが、そのあと、角野さんが再び登壇し、特別にもう一曲を披露してくれた。曲はアメリカの作曲家ジョージ・ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」。ピアノ独奏が光る一曲である。スローテンポとアップテンポ、躍動感と力強さ、繊細さ。さまざまな旋律からなる曲ゆえ、角野さんのテクニックを堪能するにはうってつけの一曲である。
演奏に酔いしれた後、角野さんにいくつかプリヴィア PX-S7000について聞いてみた。
MEN’S EX ONLINE 単独取材
角野隼斗さんに聞いた「PX-S7000」の魅力はココ!

M.E. PX-S7000は、グランドピアノのような打鍵、音を楽しめるのが特徴ですが、ペダルの感触、コントロール性はどのように感じていますか?
角野 スタンド・ペダル一体型なのはPX-S7000だからこそで、非常に安定感があります。ペダルの間隔も広くストロークも長いので、弾いていて気持ちがいいしコントロールもしやすいです。
M.E. スピーカーの印象はいかがですか?
角野 スピーカー部の背面のファブリックの質感がいいですね。後ろから見ても美しいピアノってあまり無いのではないでしょうか。音響的にはこのサウンドシステムの没入感がとにかくすごい。演奏をすると音に包み込まれているような感覚があります。部屋の真ん中や壁際など、設置場所に合わせて設定も変えられるというのは革新的な技術だと思います。
M.E. 今日の演奏にもいろいろなバリエーションがありました。高いキーでの単音を連打するときや、両手で和音を深く弾いていくとき、またピアニッシモ的に優しく弾いていくとき、どんな音程が弾いていて一番心地よく、没入感がある印象でしょうか?
角野 弾き方を問わず、深く陶酔できるような曲から、アップテンポの曲まで出音のよさ、タッチのよさで弾き手にとって心地良く音の世界に没入させてくれます。
新しい趣味を始めてみたい。音楽が好き。昔、ピアノを習っていた。インテリアやデザインに興味がある。日々の暮らしに新鮮な気分を取り入れてみたい方は、電子ピアノを一台、部屋に置いてみてはいかがだろう。きっと日常にいままでにない喜びが生まれるはずだ。
取材・文/川田剛史