3枚の文字盤(レコード)を選べる腕時計版のジュークボックス
超絶なアイデアから生まれた規格外の機構とデザイン
2001年にスタートしたハリー・ウィンストンの「オーパス」。独立時計師とのコラボレーションによる同シリーズでは、既存の概念を覆すような斬新な機構とデザインをテーマとし、新進気鋭の時計師たちの登竜門的存在ともなってきた。めぼしいものだけでもF.P.ジュルヌ(オーパス 1)、アントワーヌ・プレジウソ(オーパス 2)、グルーベル・フォルセイ(オーパス 6)といった錚々たる顔ぶれが揃う。そして2015年発表の第14作目がフランク・オルニー&ジョニー・ジラルダンとの「オーパス 14」である。
現在のところ最新作となる本作では、それ以前の作品に劣らぬ超絶なアイデアをもとに製作。それは1950年代に活躍した“ジュークボックス”であり、このマシンがかけるレコード盤を選ぶように、好みの文字盤がセレクトできるのだ。
まず、9時位置セレクターの操作により、文字盤左側に突き出たマガジンに収納されたGMT、日付、星のディスクから表示したい機能を選ぶ。次に4時位置のボタンを押してアームを作動させ、ディスクを呼び出し、2時位置のターンテーブル上にセットされる(写真は星がセットされている状態)という仕組みに。選択可能な3つのディスクが右上に移動して表示されるのに対し、通常の12時間表示はマガジン最上部に掲げられたまま。もう一度ボタンを押すとふたたびアームが作動してディスクをマガジンに戻す。
このため、搭載するCal.HW4601には通常のものに加え、ディスク専用のパワーリザーブを内蔵。2つの独立したパワーリザーブにより時刻表示に影響することなく5往復分の作動が実現する。また、“分”は文字盤右下の扇型スケールにレトログラード表示され、12時位置ボタンで日付とGMTの修正も可能となる。
本作のムーブメントパーツ数は1066個。ホワイトゴールドケースの径54.7mmの外観も圧巻だ。何から何まで規格外のコンプリケーションである。
この機構が凄い!

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