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世界で初めてコンスタントフォースとトゥールビヨンを同軸で一体化
重力とトルクの平均化を図り超高精度を実現
2022年のジュネーブ・ウォッチ・グランプリで、高精度を実現した時計に与えられる「クロノメトリー賞」を見事に射止め、グランドセイコーの新時代を開いた傑作である。ブランド史上かつてないスケルトンムーブメントの6時位置には、同軸に重なったトゥールビヨンとコンスタントフォース機構とが、堂々とした姿を見せている。他社にも類例の多いトゥールビヨンは、テンプと脱進機を収めたキャリッジを一定速度で回転させることで、重力の平均化を図る複雑機構。そして他にあまり例がないコンスタントフォースは、主ゼンマイからの駆動力を一旦バネに蓄積して一定周期で解放し、トルクの均一化を図る機構の総称である。重力とトルクとを操るこれら2つの高精度機構を同軸で一体化したのは、世界で初めてのことである。
キャリッジは2層構造で、外側がコンスタントフォースを、内側がトゥールビヨンを司る。外側のキャリッジの中心にはトルクを蓄積するスプリングが備わり、その外側にセラミック製のストップ車が設置されている。そして内側のキャリッジにはテンプと脱進機に加え、コンスタントフォースのストップ車の停止爪が備わる。主ゼンマイからの駆動力が外側のキャリッジに伝達。その外キャリッジには常に動こうとする定力バネが備わっているが、外キャリッジを制御するストップ車と停止爪が外れることで定力バネから内キャリッジに力が伝わり、安定したパワーでトゥールビヨンを動かす。なお、定力バネはストップ車と停止爪が噛み合うことで力を蓄積している。
テンプの毎秒8振動の動きに応じて脱進機は1秒間に8回音を発し、コンスタントフォースのストップ車は1秒に1回のリズムを刻む。これらが組み合わさった16ビートの打刻音が、「Kodo(鼓動)」との名前の由来。2つの同軸高精度機構は、その動作音で正確さが実感できる。
この機構が凄い!
【Point 1】
手作業で磨き上げたスケルトンムーブメントブランド初のスケルトンムーブメントは、デザイナーと一緒に設計が進められた。さらに彫金師と熟考し、各ブリッジのエッジは鏡面状、そして表面は繊細な絹目状の装飾仕上げを施した。その光の反射の違いで、立体感をより強調し、豊かな奥行き感を創出したのだ。
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【Point 1】
手作業で磨き上げたスケルトンムーブメント
ブランド初のスケルトンムーブメントは、デザイナーと一緒に設計が進められた。さらに彫金師と熟考し、各ブリッジのエッジは鏡面状、そして表面は繊細な絹目状の装飾仕上げを施した。その光の反射の違いで、立体感をより強調し、豊かな奥行き感を創出したのだ。
【Point 2】
コンスタントフォースとトゥールビョンを同軸化主ゼンマイの巻き上げ具合に関係なく、バネに蓄積した一定のトルクを脱進機とテンプに伝えるコンスタントフォースは、テンプに近い位置にあるほど効果が高まる。トゥールビヨンと同軸としたことで、コンスタントフォースはテンプと近接し、高精度を叶える。
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【Point 2】
コンスタントフォースとトゥールビョンを同軸化
主ゼンマイの巻き上げ具合に関係なく、バネに蓄積した一定のトルクを脱進機とテンプに伝えるコンスタントフォースは、テンプに近い位置にあるほど効果が高まる。トゥールビヨンと同軸としたことで、コンスタントフォースはテンプと近接し、高精度を叶える。
【Point 3】
毎秒8回と1回刻音する16ビートの高精度機構コンスタントフォースとトゥールビヨンの各キャリッジは、相互に関連しながらそれぞれ異なる一定の速度で回転。内側のキャリッジの回転で脱進機は毎秒8回、外側のキャリッジ内のストップ車は停止爪との間で毎秒1回刻音を発し、合わせて16ビートを奏でる。
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【Point 3】
毎秒8回と1回刻音する16ビートの高精度機構
コンスタントフォースとトゥールビヨンの各キャリッジは、相互に関連しながらそれぞれ異なる一定の速度で回転。内側のキャリッジの回転で脱進機は毎秒8回、外側のキャリッジ内のストップ車は停止爪との間で毎秒1回刻音を発し、合わせて16ビートを奏でる。
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※表示価格は本書発売時(2023年9月1日現在)の税込み価格です