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垂直置きのトゥールビヨンにWレトログラードと球体パワリザ
時計界の奇才が生み出す斬新かつ大胆なメカニズム
世界中を襲ったパンデミックにより、発表が先延ばしにされてきたが、2020年に完成していたブランド創業10周年記念モデルである。スケルトンダイヤルの中央を縦に貫くPG製の巨大なブリッジは、レオナルド・ダ・ヴィンチの自立式橋をモチーフとし、地板に対して垂直に設置されたトゥールビヨンを支えている。垂直トゥールビヨンは極めて稀とはいえ他社にもあるが、これをダイヤル中央に設置したのは世界初。このレイアウトにより、時計を装着した際に精度のパフォーマンスが最適化されるという。香箱からの駆動力を縦方向に変換するのは、6時位置にわずかに覗く冠歯車とピニオンギア。回転方向を変換するギアトレインとしては最もシンプルであり、それゆえ故障の確率は極めて低く、耐久性も高い。
搭載するCal.CYR625は、2018年初出。それを29ピースから成る透明なサファイアクリスタル製ケースに収め、360度どの角度からも、精密なメカニズムを目にできるように仕立て上げた。
巨大なセンターブリッジの右側は、スイープ運針する巨大なレトログラードミニッツが占め、左側を占めるレトログラードアワーは毎正時に針がジャンプする仕様とした。ダイヤル左側の開口部の時インデックス2~5時位位置には、ジャンピングレトログラードアワーを司る歯車やカム、櫛歯などが見えている。
左右2つのリューズは、右が巻き上げと針合わせ用で、左は時針だけを1時間刻みでジャンプさせられる。そして12時位置には球体式のパワーリザーブ計が、4日間の巻き上げ残量を示す。
創業から10年も満たないのに、これほど斬新なムーブメントを生み出せたのは、時計界の奇才ジャン-フランソワ・モジョン率いるムーブメント会社クロノードと提携しているから。新興メゾンは、メカニズムのオリジナリティを最優先した。
この機構が凄い!
【Point 1】
横から回転を楽しむ垂直トゥールビヨンスケルトンダイヤルを覆うサファイアクリスタルは巨大なドーム状で、横から垂直トゥールビヨンの動きがはっきりと見える。キャリッジの回転周期は一般的な60秒。キャリッジの外縁には5秒刻みのマーカーが刻まれ、60秒のみの赤で、1周したことを際立たせる。
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【Point 1】
横から回転を楽しむ垂直トゥールビヨン
スケルトンダイヤルを覆うサファイアクリスタルは巨大なドーム状で、横から垂直トゥールビヨンの動きがはっきりと見える。キャリッジの回転周期は一般的な60秒。キャリッジの外縁には5秒刻みのマーカーが刻まれ、60秒のみの赤で、1周したことを際立たせる。
【Point 2】
29ピースの複雑なサファイアケースケースに使われるサファイアクリスタルは、より透明度が高いキロプロス製法で作られた原料を使用。29個のマルチパーツ構造を採り、各パーツは5軸のCNCフライス盤で約40時間かけて精密に切削加工され、さらに120~150時間の研磨を経て、完璧な透明感を得ている。
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【Point 2】
29ピースの複雑なサファイアケース
ケースに使われるサファイアクリスタルは、より透明度が高いキロプロス製法で作られた原料を使用。29個のマルチパーツ構造を採り、各パーツは5軸のCNCフライス盤で約40時間かけて精密に切削加工され、さらに120~150時間の研磨を経て、完璧な透明感を得ている。
【Point 3】
スイープ&ジャンプのバイレトログラードレトログラードミニッツは分インデックスの中間値も読み取れる一般的なスイープ運針に。対してインデックスの中間値を必要としないレトログラードアワーは、ジャンピング式の運針として視認性を高めた。示す時間の単位に合わせた、適材適所の運針だといえよう。
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【Point 3】
スイープ&ジャンプのバイレトログラード
レトログラードミニッツは分インデックスの中間値も読み取れる一般的なスイープ運針に。対してインデックスの中間値を必要としないレトログラードアワーは、ジャンピング式の運針として視認性を高めた。示す時間の単位に合わせた、適材適所の運針だといえよう。
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※表示価格は本書発売時(2023年9月1日現在)の税込み価格です