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鎖引きのフュゼ・チェーン式トゥールビヨンで高精度を実現
COSC基準を上回る精度を発揮する実用重視コンプリ
18世紀にフランスで活躍したスイス人時計師の名を冠して創設されたクロノメトリー・フェルディナント・ベルトゥー。その復興プロジェクトは、ショパールの共同社長カール-フリードリッヒ・ショイフレがベルトゥー作のマリンクロノメーターなどを入手したことをきっかけに始まる。2015年に第1作目の「クロノメーター FB 1」を発表。同モデルにはトゥールビヨンとフュゼ・チェーン伝達機構を備えた自社製ムーブメントが搭載され、スタートからわずか1年でジュネーブウォッチグランプリの最優秀賞“金の針賞”を受賞した。2023年登場の新作「クロノメーター FB 2T」は、そのファイナルエディションである。
新作は第1作目同様、フュゼ・チェーン機構を備えたトゥールビヨンだ。フュゼ・チェーンとは、鎖引きのフュゼ(円錐型の滑車)を用い、ディファレンシャル(差動装置)でゼンマイを巻き上げるコンスタントフォース(定力)機構。この機構により香箱のトルクが平均化され、巻き上げ量が不足した状態でも時計の精度が落ちることはない。同時に巻き上げに必要な力も軽減し、わずかな力でもスムーズに作動させることができる。
また、香箱上にはマルタ十字の巻き止め装置が付属し、ゼンマイの作動範囲を制限することでトルクの安定した部分のみが使用可能に。さらにこの装置により、過剰な供給やエネルギー不足になることもなく、ゼンマイから輪列へ過不足なくエネルギーが供給されるのである。
文字盤にはオープンワークが施され、6時位置のトゥールビヨンキャリッジを駆動させる歯車が、キャリッジとは反対方向に60秒で1回転する様子も見渡せる。この特殊な歯車の採用もエネルギー伝達の最適化に貢献する。COSC認定クロノメーターを取得した本作の平均日差は−1〜+2秒。独自の鎖引き機構が時計精度の向上に抜群の効果を発揮する1本だ。
この機構が凄い!
【Point 1】
鎖引きでトルクを平均化搭載するCal.FB-T.FC-2には、フュゼ・チェーン式の伝達方法をとるコンスタントフォースの装置を採用。従来のように香箱上ではなく、フュゼの中央に配置されたディファレンシャルにより巻き上げを行う。この機構によりトルクが平均化され、時計の精度が安定する。
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【Point 1】
鎖引きでトルクを平均化
搭載するCal.FB-T.FC-2には、フュゼ・チェーン式の伝達方法をとるコンスタントフォースの装置を採用。従来のように香箱上ではなく、フュゼの中央に配置されたディファレンシャルにより巻き上げを行う。この機構によりトルクが平均化され、時計の精度が安定する。
【Point 2】
マルタ十字の巻き止め装置香箱の上部にはマルタ十字を象った巻き止め装置が付属。トルクの最も安定した部分のみを使うことができるよう、ゼンマイの作動範囲を、マルタ十字に備わる6枚の歯により6回転に機械的に制限する。これによりエネルギーの過剰な供給や不足を防ぐ。
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【Point 2】
マルタ十字の巻き止め装置
香箱の上部にはマルタ十字を象った巻き止め装置が付属。トルクの最も安定した部分のみを使うことができるよう、ゼンマイの作動範囲を、マルタ十字に備わる6枚の歯により6回転に機械的に制限する。これによりエネルギーの過剰な供給や不足を防ぐ。
【Point 3】
オープンワーク文字盤からトゥールビヨンの駆動車文字盤6時位置のトゥールビヨンキャリッジに連結して、同軸上に4番車(秒車)と同じ直径と特性を備えた駆動車を装備。これら2つの歯車はともに60秒で1回転し、4番車は時計回り、駆動車は反時計回りに回転。その様子がオープン文字盤を通して観賞できる。
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【Point 3】
オープンワーク文字盤からトゥールビヨンの駆動車
文字盤6時位置のトゥールビヨンキャリッジに連結して、同軸上に4番車(秒車)と同じ直径と特性を備えた駆動車を装備。これら2つの歯車はともに60秒で1回転し、4番車は時計回り、駆動車は反時計回りに回転。その様子がオープン文字盤を通して観賞できる。
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※表示価格は本書発売時(2023年9月1日現在)の税込み価格です