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回りながら1日720回の動きを楽しませる同軸逆回転の「8」
ラッキーナンバーの8が無限の舞いを舞う
19世紀初頭にジュネーブで活躍した時計師の名を冠し、2018年に創業した新興メゾンが2023年、日本上陸を果たした。精緻で美しい自社製ムーブメントを有し、トゥールビヨンをはじめとする複雑機構もラインナップする。さらにブランド名とした時計師が得意としていたオートマタも製作。これはその最新作で、巨大な8の数字がオートマタの主役だ。
日本と中国では末広がり、また欧米では無限(∞)と解釈される数字の8は、世界各地でラッキーナンバーとされてきた。ダイヤルに置かれた立体的で巨大な8は縦半分に分割され、わずかに高さを変えて同軸に設置。そして2つのパーツは、それぞれ逆方向に1周2分で回転し、刻一刻と形を変えていく。そして1分後には逆向きの8となり、再びバラバラとなって1分間回転すると、元の8に戻る。この8が織り成すアニメーションは、1日720回繰り返され、目を楽しませる。
アニメーションの舞台となるダイヤルは、800度を超える高温で焼成する伝統的なグラン・フー・エナメル製。外縁をキャンバー加工した凸型の銀板を下地として、施釉と焼成を何度も繰り返してエナメルを積層することで、コバルトブルーが艶やかなグラデーションを奏でる。
ケースは軽量なチタン製。難加工材を丁寧にポリッシュ仕上げし、歪みが一切ない完璧な鏡面状としているのが見事だ。
これら美しいダイヤルとケースとに収まる自社製Cal.CG 8080は、ブラックNACガルバニック処理により、わずかにグレーがかった黒に染め上げられている。色こそモダンだが、ブリッジは5つの面取りと円形のストライプ装飾による古典的な仕上げが美しい。自動巻き機構には、ムーブメントの外周で回転するペリフェラルローターを採用。その表面にはクル・ド・パリ装飾が施され、やはり古典的な美を宿す。
この機構が凄い!
【Point 1】
バラバラ&再築を1日に720回繰り返す「8」縦に2分割された8が、1分毎に上下反転しながら再築されるオートマタは、スモールセコンドとしても機能する。8は2分毎に正しい向きとなる。1日は24時間で、これを分換算すると1440分。すなわち正対した8は1日で、1440÷2=720回現れることとなる。
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【Point 1】
バラバラ&再築を1日に720回繰り返す「8」
縦に2分割された8が、1分毎に上下反転しながら再築されるオートマタは、スモールセコンドとしても機能する。8は2分毎に正しい向きとなる。1日は24時間で、これを分換算すると1440分。すなわち正対した8は1日で、1440÷2=720回現れることとなる。
【Point 2】
外縁がキャンバー加工のエナメルダイヤル下地となるドーム型の銀板の外縁を上側にキャンバー加工、すなわち曲げることで釉薬が流れ出るのを防ぐ堰とし、ダイヤル全体が平らになるまでエナメルを重ねていくと、中心から外側に向かってエナメル層は徐々に厚みを増し、美しいグラデーションを織り成す。
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【Point 2】
外縁がキャンバー加工のエナメルダイヤル
下地となるドーム型の銀板の外縁を上側にキャンバー加工、すなわち曲げることで釉薬が流れ出るのを防ぐ堰とし、ダイヤル全体が平らになるまでエナメルを重ねていくと、中心から外側に向かってエナメル層は徐々に厚みを増し、美しいグラデーションを織り成す。
【Point 3】
クル・ド・パリ装飾のペリフェラルローター円弧状のローターがムーブメントの外周で回転して香箱を巻き上げるペリフェラル式により、自動巻きでありながら、ムーブメントの厚みは4.57mmという薄型を実現。ローターの表面にはCNCマシンでクル・ド・パリ装飾を施し、さらにNAC処理でブラックに染めた。
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【Point 3】
クル・ド・パリ装飾のペリフェラルローター
円弧状のローターがムーブメントの外周で回転して香箱を巻き上げるペリフェラル式により、自動巻きでありながら、ムーブメントの厚みは4.57mmという薄型を実現。ローターの表面にはCNCマシンでクル・ド・パリ装飾を施し、さらにNAC処理でブラックに染めた。
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※表示価格は本書発売時(2023年9月1日現在)の税込み価格です