トゥールビヨンキャリッジの中央に獅子のアイコンが鎮座して回転
美へのこだわりを追求した自社製コレクションの複雑系
シャネル初の自社製ムーブメント搭載モデルとして2016年に誕生したムッシュー ドゥ シャネル。その記念すべきファーストモデルに搭載されたCal. 1は、レギュレーター仕様のジャンピングアワー&レトログラード分表示&スモールセコンドで、第1作目からいきなり複雑系を打ち出したのが印象的だった。それから6年後の昨年に登場したCal. 5はJ12に搭載したフライングトゥールビヨンだったが、今年発表の「ムッシュー ドゥ シャネル トゥールビヨン メテオライト」には、これにマイナーチェンジを加えた手巻きのCal. 5.1が採用されている。
新作のCal. 5.1でまず目につくのが、6時位置のトゥールビヨンキャリッジの上に配した獅子のエンブレムだ。ライオンの頭部が立体的にレリーフされ、キャリッジとともにゲージ内を小気味よく60秒で1回転する姿はインパクト絶大である。この意匠は同社の自社製ムーブメントを象徴するアイコンであり、あえてフライングトゥールビヨンの機構上に被せてまで取り入れたところに、独自のこだわりと遊び心が感じられる。
時計を裏返すとシースルーバック越しに見えるのは、艶やかなブラックに染められたムーブメントプレート。その中央には円形のスケルトンブリッジを備え、これを中心に真円を重ねたように輪列が連なるレイアウトも独創的だ。各パーツは丁寧に面取りされ美しい光沢を放つ。
さらに、貴重な隕石を使ったオープンワークのメテオライト文字盤も個性にあふれる。トゥールビヨン上のオフセット位置に時刻表示ダイヤルを置き、ブラックのフレームと独特な色合いのメテオライト、そして裏面と同じく真円が重なる輪列に合わせて施されたオープンワークが、統一感がありつつも絶妙なコントラストを醸し出す。シャネルの美に対するこだわりが存分に発揮された1本だ。
この機構が凄い!

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