トラベルタイム機構に24時間対応のアラームを搭載
4つの新技術を注いだ美しき音色のアラーム機構
2つの12時間表示の時針のうち一方を、ケース左サイドの一対のボタンで前後に動かし渡航先の時刻に合わせられる──1961年に誕生したトラベルタイムが、約60年後の2019年にアラーム機能と出会った。しかもアラームには、クラシックゴングをハンマーが打つリピーターと同じ機構が組み込まれている。設定した時間になると、1秒間に約2回半、35秒間にわたって神々しい時打ちの音が鳴り響く。等速でハンマーを動かすために、音色を邪魔しないリピーターと同じ無音の遠心ガバナーが、カラトラバマークの下に収まっている。パテック フィリップならではの美しいチャイミング機構の音色が、アラームならミニッツリピーターよりはるかに身近な価格となる。
ケース両サイドにシンメトリーに配置された4つの操作系は、左サイドがトラベルタイムの設定ボタン、右下が通常リューズで、右上のリューズダイヤルで12時位置にあるアラーム設定時刻を操作する。デジタル式のアラーム時刻表示は15分単位で設定でき、その下には昼夜表示も備わっているため、24時間前から設定しておけるのが、なかなかに便利だ。アラーム機構はリピーターのようにオンデマンドではないため、4時位置のリューズを通常とは逆に回すことで、専用香箱を巻き上げる仕組みになっている。これはソヌリと共通する構造で、時刻表示用とアラーム用の各香箱には、それぞれ逆回転を防ぐクラッチ機構が備わる。
さらに頑強なパイロットウォッチの外観に違わず、パテック フィリップのチャイミング機構としては初めて3気圧防水を実現。気密ケースであっても、音色が予想以上に大きいのは、ゴングをムーブメントではなくケース側に取り付け、音色を外側に逃がすようにしているからだ。
アラーム機構だけで4つの特許を新たに取得。技術革新が美しい音色を育む。
この機構が凄い!

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