甲冑収納スペースを確保したコンパクトトゥールビヨン
武士道の精神と日本文化を時計で表現
人間工学に基づくケース形状と多彩な新素材とで、着けていることを忘れるほどに軽い、という新たな価値を高級時計にもたらしたリシャール・ミルは、伝統的な工芸技術にも敬意を払っている。このモデルは、その象徴的な1本。ご覧の通りダイヤルには、甲冑を着けた侍のモニュメントがムーブメントを守っているかのように鎮座している。日本文化への賛美をもってデザインされたマスターピースは、サムライ精神に深い思い入れを持つF1レーサー、フェルナンド・アロンソとの会話から生まれたという。
モニュメントが手本としたのは、赤穂藩藩主・浅野家の甲冑や刀。モニュメントは11個のパーツから成り、すべて本物の甲冑製作にも使われた金箔を彷彿とさせるYG製とした。6時位置には、浅野家の家紋である丸に違い鷹の羽が丁寧に彫り込まれ、それ自体がトゥールビヨンの軸受けを支えている。侍モニュメントは、ムーブメントと一体化するよう設計されているのだ。その製作を担ったのは著名なエングレーバー、ピエール=アラン・ロズロン氏。彼が各パーツを設計図通りに形作り、手彫りをし、それらに妻であるヴァレリー・ロズロン氏がマイクロペインティングを施す。こうして出来上がった各ピースをムーブメントと一緒に丁寧に組み立てることで、本物そっくりの甲冑を着た侍の姿が完成する。
侍モニュメントと一体化するトゥールビヨンキャリバーは新設計。固定4番車に脱進機とテンプを収めたキャリッジが重なるトゥールビヨンは、省スペース化が容易。そして香箱を12時位置、トゥールビヨンを6時位置とした縦一直線のコンパクトな設計とすることで、表と裏とに立体的な侍モニュメントを置くスペースが確保された。キャリッジに収まるテンプは、チラネジ式のフリースプラング。マニア心を、なかなかにくすぐる。
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