ムーブメントを収納しても驚異の1.75mmの極薄機械式
ケース内部全体を使い、パーツを重ねることなく構築
フェラーリとのコラボ第一弾で、リシャール・ミルは薄さの限界に挑んだ。そのケース厚は、機械式時計として極薄の1.75mmである。2mm厚以下の機械式時計は、これまで2例存在するが、それらがケースバックの内側に直接ムーブメントパーツを組み込み、極薄を叶えていたのに対し、リシャール・ミルは独立したムーブメントをケースに収めるという従来のスタイルで驚異の薄さを実現した。搭載するムーブメントの厚さは、1.18mmしかない。
そのCal.RMUP-01は、オーデマ ピゲ ル・ロックルとの共同開発。通常ムーブメントは、各歯車に細長い歯車(カナ)を取り付け、上下に重ねて連結できるようにし、省スペース化している。対してCal.RMUP-01は、各歯車を直接噛み合わせることで厚みを削った。輪列は香箱から二手に分かれ、右側が調速輪列で、これにより調速された香箱から左上方向に時刻表示輪列を構築。時分針は、それぞれの駆動歯車に置いた指標で代用している。そして左側にはリューズ機構を集約。専用コレクターを用い、上側で巻き上げと針合わせとを切り替え、下側で操作する仕組みとした。
また極薄の脱進機を新開発。通常のアンクルはT字型で、テンプに取り付けられるフォークの両サイドには、振れ過ぎを止めるドテピンが必須で、テンプにはアンクルの動きを制御するローラーが取り付けられる。一方、新開発のウルトラフラット脱進機は、T字型アンクルのサオ部分を回転させ、I字型とし、振り切りを制御する新しいアンクル(剣先がなく、特殊な形のクワガタを持つ)とローラーからコツバをのぞいたテンプを開発した。
すべてのパーツは極めて薄く、それぞれ完璧な水平を保ち、高さを合わせなければ決して動いてはくれない。極薄ムーブメントは、組み立てが極めて困難な超複雑機構でもあるのだ。
この機構が凄い!

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