5分でわかる!約140年間で独自の進化を遂げてきた日本のイタリア料理の歩み

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5分でわかる
日本のイタリア料理史

日本のイタリア料理史

1881年に日本初のイタリア料理店が誕生して以来、140年余りの間に独自の進化を遂げてきた、日本におけるイタリア料理の歩みをダイジェストで辿りってみよう。

1970年代
イタリア料理ブームの黎明期

高度経済成長期や1970年の日本万国博覧会以降、ワインやトマトペーストなどの輸入が自由化され、イタリア産食材が入手しやすくなった。それまではアメリカなどを経由して入ってきた「イタリア風」の料理が主流であったのに対し、60年に開店した「キャンティ」をはじめ、本場イタリアの食文化を楽しむ風潮が見られるように。

1980年代
和・中・仏料理に続く「第4のジャンル」に

イタリア修業帰りのシェフが現地の風を届ける料理を披露し、日本のイタリアン界が華やいだ80年代。片岡 護シェフの「アルポルト」をはじめ、次々と都心を中心にイタリア料理店が登場する。「ボナセーラ!(こんばんは!)」の挨拶で話題となった「イル・ボッカローネ」は開店直後から人気となり、「イタ飯」ブームの火付け役に。

1990年代
勢いは止まらず、スイーツもブームに

バブル崩壊により外食産業が停滞する中、イタリア料理は勢いが衰えなかった。90年に日髙良実シェフが「アクアパッツァ」を、97年に落合 務シェフが「ラ・ベットラ・ダ・オチアイ」をオープンするなど、現地の動きを踏まえたシェフ独自の方向性が明確なお店が次々と日本で誕生。ティラミスやパンナコッタブームもこの頃巻き起こる。

2000年代
イタリア郷土料理が時差なく日本でも

1980~90年代前半はローマを中心に修業したシェフが多かったのに対して、90年代後半には、イタリアの地方で修業する人が増加。2000年代に入ると、その料理人が日本に帰国し、習得した郷土料理を披露。また、都市部にとどまることなく、その地ならではの食材を生かした、地産地消のイタリアンを時差なく日本各地で味わえるようになる。

2010年代
“わが道を突き進む”料理人の登場

2000年代終盤に上陸したハイブランドのリストランテが活況の一方、ナポリピッツァ専門店や肉の火入れを極めたお店など、一つの料理に特化したお店も増えた10年代。また、イタリアの枠にとらわれず、スペインや北欧など、他地域の料理のエッセンスも組み合わせた新しい「イタリアン」の形が登場。多彩なメニューを楽しめるようになる。

2020年代
「コロナ禍」を経て、向かう先は?

コロナ禍を経てテイクアウトへの対応やノンアルコールドリンクの提供など、楽しみ方が多様になった。また、「おうち時間」が増えたことから、マリトッツォやカンノーロをはじめとするイタリアのパンやスイーツが再び注目を集める一方で、高級リストランテも根強く人気。カジュアル、高級の両路線にて、さらなる進化が期待される。

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[MEN’S EX Autumn 2023の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)

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