Chef Italiani a Tokyo
東京で輝く、イタリア人シェフたち

今や東京のイタリア料理界で欠かせない存在となった、ハイブランドが展開するリストランテ。異国である日本で、さらなるイタリア料理の高みを目指す気鋭シェフたちを訪ねてみた。

Armani / Ristorante

「今の時代を感じさせるイタリア料理を」─ カルミネ・アマランテさん

カルミネ・アマランテさんがエグゼクティブシェフに就任したのは2020年8月。以来取り組んできたのは、“改革”だった。「開業して13年が経過したリストランテをアップデートしつつ、アルマーニというブランドイメージを守るのは、時間を要する大変な作業でした」。

具体的にはより明確なコンセプトを打ち出した。イタリアの伝統を出発点に、コンテンポラリーなビジョン、つまり高度な技術を駆使した複雑で奥行きのある味わいを提供するファインダイニングであるべし、と。そして、故郷ナポリの体験を個性として皿上に反映させたのだった。

しかし、必ずしもナポリ料理にこだわるわけではありません。「私が心がけるのはイタリア全体を俯瞰した料理。イタリアの思い出を楽しんでもらいたいと思っているのです」。

アルマーニでは、日本の旬の素材、とりわけ魚と野菜を用いて、日本の料理の技も積極的に取り入れている。魚を酒と醬油でマリネして備長炭で焼くのもその一例。

イタリアと日本の食文化を融合させながら、イタリアを感じさせる現代的な味を作り出すことが、アマランテさんの目指す世界なのだ。

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