読者諸兄には時計好きの方も多いと思うが、機械式時計の基本構造、ムーブメントの仕組みやメカニズムまで、詳細に理解している方はまだまだ少ないのでは?と想像する。そんな方に向けた、腕時計の仕組みを“世界一わかりやすく”解説した本『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』が誕生。その中から一部をピックアップしてご紹介する。
腕時計の傑作ムーブメント【Cal.1400】
機械式時計の本質や真の価値は、やはりムーブメントにある。分業制とすることで発展を遂げてきたスイス時計業界には、高い技術をもつムーブメント会社がいくつもある。しかしそこに頼らず、自社で開発・製造したムーブメントには、優れた工夫が凝らされ、独創性の高い傑作が数多く存在する。
傑作ムーブメント
Cal.1400

ジュネーブ様式に則り、美を織り成す
四番車とガンギ車のブリッジを独立させるのは、ジュネーブ様式の伝統。今では数少ないガンギ車にも耐震装置が備わる、高級機である。薄いだけでなく直径20.65mmと小さくもあり、さまざまな形状のケースに搭載可能だ。
ヴァシュロン・コンスタンタン[パトリモニー]
![ヴァシュロン・コンスタンタン[パトリモニー]](https://www.mens-ex.jp/wp/wp-content/uploads/2023/11/ME_2023_udedokeinoshikumi_p138-149_05-2.jpg)
ミニマルなドレスウォッチの手本
パトリモニーマニュアルワインディング/ケース厚は6.79mmと極薄。ドーム状のダイヤルの曲面に合わせ、長針を手曲げするなど造作にも凝る。手巻き。径40mm。18KPGケース。アリゲーターストラップ。
薄さと美しさを兼ね備える
1775年にスイス・ジュネーブで創業して以来、ムーブメントにも美を重んじるジュネーブ・スタイルを、ヴァシュロン・コンスタンタンは遵守してきた。ほとんどのモデルで、ジュネーブ・シールを取得。美しいだけでなく、数々の複雑機構を自社で叶える高い技術力も有する。
「パトリモニー」は、1957年に誕生したモデルをモチーフとした、薄型のドレスウォッチ。時分針だけが備わる最もシンプルな機構は、2001年に完成した自社製キャリバー1400が担う。厚さは、わずか2.6mm。薄いムーブメントは歯車も薄く、完璧に水平を保ち、高さを合わせなければ動いてはくれない。ゆえに慎重に手組みされる。ブリッジの深い面取りは、手仕事ならでは。他の仕上げも、極めて上質である。
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『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』
特別定価 :1,980円(税込み)
発⾏・発売:株式会社世界⽂化社
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