読者諸兄には時計好きの方も多いと思うが、機械式時計の基本構造、ムーブメントの仕組みやメカニズムまで、詳細に理解している方はまだまだ少ないのでは?と想像する。そんな方に向けた、腕時計の仕組みを“世界一わかりやすく”解説した本『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』が誕生。その中から一部をピックアップしてご紹介する。
腕時計の傑作ムーブメント【L121.1】
機械式時計の本質や真の価値は、やはりムーブメントにある。分業制とすることで発展を遂げてきたスイス時計業界には、高い技術をもつムーブメント会社がいくつもある。しかしそこに頼らず、自社で開発・製造したムーブメントには、優れた工夫が凝らされ、独創性の高い傑作が数多く存在する。
傑作ムーブメント
L121.1

ザクセンの時計様式を現代に受け継ぐ
穴石をリングに入れてからブリッジにネジで取り付けるゴールドシャトンや、ムーブメントの大半をブリッジで覆う3/4プレート、テンプに施した手彫金は、創業者から受け継ぐ様式美。日付の各桁を独立した窓で示すアウトサイズデイトは特許を取得している。
A.ランゲ&ゾーネ[ランゲ1]
![A.ランゲ&ゾーネ[ランゲ1]](https://www.mens-ex.jp/wp/wp-content/uploads/2023/11/ME_2023_udedokeinoshikumi_p138-149_03-2.jpg)
視認性を高めるダイヤルの機能美
ランゲ1/左にオフセットしたダイヤルの右側に、アウトサイズデイトとパワーリザーブ計、スモールセコンドを配置。すべての表示を重ねず、視認性を高めた。手巻き。径38.5mm。18KPGケース。アリゲーターストラップ。
ブランド再興の象徴
A.ランゲ&ゾーネは、ザクセン公国の宮廷時計師の流れを汲み、貧困にあえいでいたエルツ山地に時計産業をもたらした、ドイツを代表する時計ブランドである。1948年には東西冷戦による休眠を余儀なくされたが、ベルリンの壁崩壊に伴い再興を遂げた。
この「ランゲ1」は、1994年に新生A.ランゲ&ゾーネが発表した、記念すべきファーストモデルの1つであり、ブランドのアイコン。現行モデルは、2015年に外観をほぼ変えず、ムーブメントを一新した第2世代だ。搭載するキャリバーL121.1は、ゼンマイの巻き上げ残量を示すパワーリザーブ計が0を示すと、秒針が0位置でぴたりと止まる独創的な機構が備わる。他社を圧倒する入念な手仕上げが成された高い審美性も魅力だ。
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『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』
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発⾏・発売:株式会社世界⽂化社
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