【大人の香港旅】コロナ明けの海外は最新「美食&アート」で巡る近場の香港から!

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コロナ明けの海外は最新の「美食&アート」で巡る近場の香港旅から!
香港といえば、やはりこのビクトリア・ピークからの眺望だろう。天気にも恵まれ、コロナ前と変わらぬ絶景が迎えてくれた。

【大人の香港旅_01】コロナ明けの海外は最新「美食&アート」で巡る近場の香港から!

日本から片道5時間弱で飛べる香港は、週末旅にもぴったりの手軽な目的地として人気だ。特に、4月以降、香港入境に際して出国前検査(迅速抗原検査やPCR検査)を実施する必要もなくなり、コロナ前と同様にスムーズに行き来ができるようになった。安全・安心に観光が楽しめるようになった今、世界中の香港ラヴァーをはじめ、新たに話題のスポットも含めて香港を遊びつくす日本人観光客も戻りつつある。そこで今回、「美食を堪能し、アートを愛でる」をテーマに、3年間のコロナを経て生まれ変わった香港の最新事情を紹介したい。

まずは街に活気をもたらす“3大ランドマーク”を巡る

コロナ禍により大きな打撃を受けた香港の観光産業だが、国内では来るべき再開に向けた開発の歩みを止めることはなく、新たな施設が続々と誕生していた。まずは、香港への渡航が制限されていたコロナ期間中にオープンした、リピーターにとっても新鮮な気持ちで訪れることのできる3つの施設から紹介していきたい。

【新生ランドマーク①】
ビクトリア・ピークへの道のりも「新型トラム」なら圧巻の迫力

ピークトラム
2018年から始まった駅周辺の大規模改修工事に伴い、2021年より運休していたピークトラムは、2022年に第6世代の新車両で運行を再開。新車両のカラーには、20世紀初頭に使用されていたピークトラムの伝統を受け継ぐクラシックなグリーンカラーが採用されることに。

香港を代表する観光アイコンの一つといえばこちらの「ピークトラム」だろう。今回の改修プロジェクトでは、トラム車両の全面リニューアルに加え、車両の運行には欠かせない、制御や信号システムの交換、車両を引き上げるロープや軌道レールの交換など、起点終点の駅改修も含めた、総額数億香港ドルにも及ぶ大規模なアップグレードとなった。

ピークトラムの乗車チケット、車内
左:2022年より新型車両での運行をスタートさせたピークトラムの乗車チケット。 右:車両自体が大きくなったことで乗車定員も大幅にアップ。上りは向かって右側の3列席に座ると海側の景色を堪能することができる。
ガラス張りのパノラマ仕様の天井
今回、初めて天井をガラス張りのパノラマ仕様にしたことで、視界もグッと広がり、より解放的でダイナミックな景色を堪能できるようになった。
ピークトラム
かなりの急勾配で、ちょっとしたアトラクション気分が味わえる。

車体カラーは、第5世代の赤から深緑に変わり、全長も18メートルから34メートルと大幅に伸びたことで、乗車定員も120名から210名へと大幅に増加。窓の大きさも3割ほど大きく、天井をガラス張りにしたこともあって、よりダイナミックな画角で高層ビル群を望むことができるようになった。

ピーク・タワー
ピーク・トラムを降りると、写真のピーク・タワーに到着する。さらにピーク・タワーの屋上展望台「スカイ・テラス428」まで登ると、香港で最も高い360度の絶景を堪能できる。
海側の景色
ピークからビクトリア・ハーバーとは反対、海側の景色を望む。雲海のようにも見える海面から島がその顔をのぞかせる。香港人が好む、風水的にも縁起の良いスポットなのだそう。

URL: https://www.thepeak.com.hk/ja

【新生ランドマーク②】
かつての生鮮市場「中環街市」は、今どき複合施設へ刷新!

「中環街市」のメインエントランス
メインエントランスを入ると、生鮮市場時代の名残を感じさせる赤い傘のランプのデコレーションが迎えてくれる。香港の街には欠かせないアイテムであり、これぞまさに香港カルチャーを取り入れた斬新なアート空間!
白壁のシンプルでモダンな建築が目を引く外観
白壁のシンプルでモダンな建築が目を引く外観。
「メインエントランス
メインエントランス

2021年8月にリニューアルオープンしたばかりの「中環街市」(セントラルマーケット)。街市(ガイシ)とは、香港各地に点在する生鮮マーケットのことで、昔は誰もが毎日のようにここを訪れ、野菜や果物、肉や魚など、新鮮な食材を必要な分だけ購入していたそう。いわば香港市民の胃袋を支えた場所、それが街市だったのだ。

中庭を囲むように建設された3層構造の建物
中庭を囲むように建設された3層構造の建物。ランチどきには1階の飲食店用のフードコートとして、近隣のビジネスマンたちで賑わう。
生鮮市場当時の階段をそのまま再利用した施設内の内階段
生鮮市場当時の階段をそのまま再利用した施設内の内階段。階段正面の壁面には当時の書き文字がそのまま残されている。アートを探して見て歩くのも、このセントラルマーケットならではの楽しみ。

1842年からの歴史を持つ中環街市は、1990年代に入ると人々の生活様式の変化と共に生鮮市場としての役割を終えることに。その後、中環街市の再生プロジェクトとして全面封鎖が行われ、数年間にわたる改装工事を経て2021年に歴史、文化を体感しながら買い物や食事ができる複合施設として再オープンを果たした。

中環街市の再生プロジェクトが行われるにあたり、重要視されたのが歴史的建造物の雰囲気と個性を活かした場所にすること。さらに、市民が集いながら生活と文化を楽しめる場所にすることだった。新しい館内は白と黒によるモダンかつシンプルな造りが特徴で、階段や踊り場、壁面などには、生鮮市場時代の名残であろう数字や店名などがそのままデザインとして活かされていた。空間全体を通して新旧文化の出会いを体感できる新たなランドマークだ。

建物1階の和洋中の飲食店
建物1階には和洋中の飲食店がさまざま立ち並び、ランチどきには近隣のビジネスマンで賑わう。
ハムやチーズ、ソーセージなど、加工食品を購入できるショップ
生鮮市場時代の名残もあってか、ハムやチーズ、ソーセージなど、加工食品を購入できるショップも欧米人たちには人気だ。
日本産の昆布や海藻類、和食のお店
左:2階には乾物を量り売りしてくれるショップも入り、日本産の昆布や海藻類も販売されている。 右:香港では和食も大人気。カウンターで鮨をつまみながら、気軽に日本酒を楽しむこともできる。

3層構造の館内には、レストランやカフェ・スイーツ・衣料品店・お土産店・生活雑貨店など数多くの店が軒を連ねる。ここへ来れば、お洒落なショッピングモールや巨大なデパートとはちょっと違った、今の香港の気分を感じられるセレクションがジャンル横断的に堪能できる。

URL: https://www.centralmarket.hk/en

世界最長の屋外エスカレーターを知っている?

ミッドレベルエスカレーター
ミッドレベルエスカレーター

「中環街市」を訪れた際には、通りを挟んで向かい側にある「ミッドレベルエスカレーター」を是非、体験してほしい。世界一の長さを誇るエスカレーターなのだそうで、全長800mの道のりを、合計23基が連なり、約23分かけて乗り継ぐという仕組み。運行時間が決まっていて、時間帯によって上りと下りの運行方向が異なり、勾配の激しい香港島に住む人たちの足となって活躍中だ。こんなローカルな体験も旅の良い思い出の一つになる。

【新生ランドマーク③】
海岸沿いに出現した巨大ショッピングモール「K11 MUSEA」

ショッピングモール「K11 MUSEA」
左:1階から施設中央の吹き抜けを見上げると、まさにミュージアムの名にふさわしい絢爛豪華な大空間が広がる。右:ショッピングを楽しむ若い女性客の姿が目立っていた。
大通り側からの眺望
施設の入り口は、海岸のプロムナード側とザ・ペニンシュラ香港前の大通りに面した2ヶ所。写真は大通り側からの眺望。緑を多く取り入れた建築もひと際目を引く。
プロムナード側のエントランスより施設を望む
プロムナード側のエントランスより施設を望む。
ビクトリアハーバーを望むプロムナード側からもアクセスができる
ビクトリア・ハーバーを望むプロムナード側からもアクセスができる。

香港の観光とショッピングの人気スポット、尖沙咀。そんな活気付くエリアの一角、ビクトリア・ハーバー越しに香港島を望むプロムナード沿いにオープンしたのがショッピングモール「K11MUSEA」。世界中のアーティストによる芸術作品が展示されている同施設は、最先端のアートやカルチャーの発信地としても注目されている。

地上8階、地下4階からなる施設内には、ハイブランドのブティックからデザイナーズブランドまでが一堂に集まり、香港の洗練された富裕層をはじめ、中国本土や欧米各国からの観光客で大いに賑わいを見せていた。展望デッキや屋上には緑あふれる庭園&プレイパーク的な広場もあり、地下に降りれば、レストランやフードコートでの飲食も愉しめるので、家族連れにも便利だ。

施設は地上8階、地下4階で構成される
施設は地上8階、地下4階で構成される。
地下1階の「Omotesando Koffee」
コーヒーは香港でも若者の間では人気のカルチャー。地下1階の「Omotesando Koffee」には、感度の高い香港ローカルをはじめ、多くのコーヒーファンが訪れていた。

URL: https://www.k11musea.com

街場に息づく“ローカルな香港”の今に触れる

新旧のスタイルが渾然一体となって織りなす香港の活気は、旅行者にとっては刺激的だ。新たな活気に触れて高揚感を味わった後には、クラシックな香港の面影が残るエリアを散策し、人々の暮らしに目を向けて心を落ち着かせてみよう。グルメやショッピング、観光スポットがぎゅっと詰まったコンパクトシティだから、移動時間をそれほど気にせず、短い滞在期間でも新旧カルチャーの対比を思う存分楽しめるのも、香港旅の醍醐味と言えるのだ。

【香港ローカル①】
提灯職人の技術を通して“市民の営み”に触れる

ランタンの工房兼店舗
左:大通りから一本入った裏路地に静かに佇む工房兼店舗。 右:ランタンの骨組み作り。沙紙と呼ばれる丈夫な紙で竹の骨組みを固定しながら成形していく。図面はPCを使ったデジタルだが、組み立ては手作業。熟練の技が物を言う。

これから中秋節を迎える香港にとって、欠かせないのが色とりどりのランタン(提灯)。街中の文房具屋やおもちゃ屋、そのほか地元の人々が集まるマーケットなどで売られていて、中秋節の食後にはランタンに火を灯し、近くの公園や海辺まで散歩がてら出掛けて行って、月餅を食べながらお月見を楽しむ習慣がある。

ランタンは伝統的なタイプのほか、今ではアニメキャラをモチーフにしたものもあり、子供たちにも大人気。大量生産される安価なランタンが多い中、手作りのランタンを作り続けている工房を訪ねた。

ランタンの工房
左:骨組みに沿って、色紙を張る作業。竹の骨組みの外側に色紙を張っていく。トントンと指先を使って、繊細に張り付けていく。 右:香港市民の生活の一部として、年間を通して親しまれているランタン。注文書が山のようにぶら下がっていることからも、その人気ぶりをうかがい知ることができる。

19世紀の英国統治時代、中環が行政とビジネスの中心地であったのに対して、ゴミの埋め立て地として、食肉処理場などが建てられた西区で親子3代にわたって伝統を守り続けてきたのがこちらの「天寶樓扎作」。季節の節目の行事を大切にする香港人の暮らしを支える伝統的な職人技に触れることで、しばし心を落ち着かせてみるのも趣深い。

【香港ローカル②】
スターフェリーに乗船して“市民の息吹”に触れる

スターフェリー
筆者にとっては4年ぶりの香港旅。唯一無二の素晴らしい景色を眺めることができた。
スターフェリーへの乗船
10分足らずの短い船旅だったが、揺れもほとんどなく、心地良い潮風を感じながら、のんびりゆったりと癒された。

香港市民にとって欠かせない交通手段の一つと言えば、スターフェリーだ。九龍のチムサアチョイと香港島を10分足らずで結び、市民の足としてはもちろん、観光客にとってみれば非日常気分を味わうことができる、ちょっとしたアトラクションにもなっている。

夕暮れ時に、潮風を受けながら高層ビルの摩天楼が目前に迫る船上からの景色は、地下鉄移動とはまたひと味違った香港らしさを感じるひと時になるだろう。作家、沢木耕太郎さんの言葉を借りるならば、『わずか何分か乗るだけのフェリーが素晴らしいクルージングのように思えた』 。まさに、ハーバーのドラマを体験できた瞬間だった。

URL: https://www.starferry.com.hk/en/

【香港ローカル③】
調味料専門店を訪れて“市民の味覚”に触れる

調味料専門店
調味料専門店

日頃、大したものを作らないくせに、旅先で現地の美味しい料理を食べてしまうとつい、その味を自分でも再現したくなってしまい、調味料もこだわって揃えたくなってしまうから不思議だ。

余均益のチリソース(辣椒醤)

今回お邪魔したのは1922年創業の『余均益』。本店が西營盤にあり、写真のチリソース(辣椒醤)が大変有名だそうで、よく見る細長い形状のほかに、お土産にもぴったりの小瓶もある。香港人たちのソウルフードに欠かせないチリソースは、辛すぎず旨味もしっかりあるので、点心以外でも、麺に少し垂らしたり、野菜料理や肉料理にかけたりして味の変化を楽しめる。現地の味を再現するための調味料をお土産にするなら迷わずこちらへ。

久々の香港だから、移動自体も旅の大きなイベントに!

キャセイパシフィック航空の飛行機

海外への旅の始まりは飛行機から! 久々の香港では宿泊やグルメをメインにした贅沢な旅行をしたいけれど、目的地に着くまでの移動時間も愉しみたい。そんな方におすすめしたいのが、ビジネスクラスを使った空の旅。特に、香港を拠点に30以上の国と地域、80都市以上に就航するキャセイパシフィック航空は、日本では成田空港と羽田空港のほかに、関西・中部・新千歳・福岡の各空港に乗り入れていて、何と、日本から香港への約5時間のフライトでも、ビジネスクラスを利用できるというから見逃せない。

成田空港内のビジネスクラス専用ラウンジ

ビジネスクラス利用なら、もちろんご覧の成田空港内の専用ラウンジが利用できる。キャセイパシフィック航空のラウンジは、成田空港国際線第2ターミナル2階、71番ゲート付近に今年の2月にリニューアルオープン。従来に比べて3倍近い広さになった新たなラウンジで、ゆったりとしたソファで寛ぎながら、これから始まる香港旅行のプランを練ったり、読書をしたり、メールをチェックしたり、お茶をしたり・・・。お腹が減っていれば、軽食とともにビールやワインなどのアルコール類を愉しみながら、搭乗までの時間を優雅に過ごすことができるのだ。

キャセイパシフィック航空のラウンジ
キャセイパシフィック航空のラウンジ

235席を備える広々としたラウンジ内は、軽食や各種ドリンクが愉しめるブッフェスペースはもちろん、有田焼400年の伝統と現代の感性を独自に組み合わせた「アリタポーセリンラボ」の芸術的で優雅な照明作品が、施設内の各所に採用されていて、ラグジュアリーかつモダンな空間に。ゆったりとしたソファ席はもちろん、足を伸ばして寛げるオットマン付きのラウンジチェアも発見! もちろん、電源を備えた半個室仕様のワークスペースも完備されているのでPC 作業にも問題なく対応してくれる。これなら、ビジネス利用でも安心だ。

キャセイパシフィック航空のラウンジ

特に、天井まで届く開放感のある大きな窓側席からはスポットインする航空機を間近で眺めることができる。明るく広々としていて、とても気持ちの良い空間だ。

キャセイパシフィック航空の機内

いよいよ搭乗の時間。今回の機体は、キャセイの中でも最新鋭のA350。ビジネスクラスは路線ごとに異なる座席が導入されているそうで、日本と香港路線でも導入されている長距離路線用ビジネスクラスの座席は、座席を斜めに配置させた「ヘリンボーン」スタイル。キャセイカラーに彩られたシートは、まるでゆりかごに包まれているようなリラックス感が得られる。座席幅は約53cm、フルフラットでベッドにすると長さは191cmあり、足を組んで伸ばしても広々していて申し分のない快適さだ。

ビジネスクラスの座席

完全に横になれるフルフラットシートを採用したビジネスクラスの座席で、リラックスしながら空の旅を楽しむことができる。周囲を気にすることなく、どの席からでも直接通路に出ることができるのはとても便利。日本から香港まで、心地よいシートに抱かれながら夢心地の旅が約束される。

キャセイパシフィック航空のビジネスクラスのメニュー

そして、キャセイパシフィック航空のビジネスクラスの魅力はその乗り心地だけではない。世界のエアラインでも屈指のレベルを誇るビジネスクラスだけの特別メニューに舌鼓。ビジネスクラスに乗って、高度1万メートルでの美食体験! これなら、成田から続く心地よいサービスで、贅沢な気持ちのまま香港旅行のスタートを切れるに違いない。

[取材協力]
香港政府観光局
DiscoverHongKong.com
キャセイパシフィック航空
https://www.cathaypacific.com/cx/ja_JP.html

取材・構成・文=伊澤一臣

2025

VOL.345

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