ウェルドレッサー・加賀健二さんが語るラグスポ時計の着こなし方

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世界的ウェルドレッサー 加賀健二さんに訊く
ラグスポ×クラシックの流儀

加賀健二さん

ミヌッチさんが教えてくれた手元のエレガンス

目下、時計業界における最大潮流といえばラグジュアリー・スポーツ(ラグスポ)ウォッチ。Tシャツやスニーカーなどカジュアルな服装でも、手元でクラス感を演出できるのが大きな魅力……というのが世間一般の評価だが、本誌はむしろ、その逆こそラグスポ時計の魅力だと提言したい。つまり、そのラグジュアリーさゆえ、上質なクラシックスタイルにも合うことがラグスポの真骨頂なのだ。事実、クラシック業界で名高いウェルドレッサーたちの中には、今般の一大旋風よりもずっと前から密かにラグスポ時計を愛用していたという人も少なくない。本誌でもお馴染み、加賀健二さんもそのひとりで、およそ15年にわたってオーデマ・ピゲのロイヤルオークを着用している。タイ ユア タイ創設者であるフランコ・ミヌッチさんから譲り受けたのが所有のきっかけだそうだ。

フランコ ミヌッチさんから継承したロイヤル オーク
フランコ ミヌッチさんから継承したロイヤル オークは径36mmの小ぶりなサイズ。無造作にボタンを外した上質な白シャツにも最高にマッチしている。

「フランコさんのロイヤル オーク・スタイルは本当にエレガントでしたね。夏にはネイビーのリネンジャケットやコットンジャケットに、冬は茶のカシミアジャケットなどと合わせていました。スーツスタイルでも活用していましたが、やはりネイビーのサキソニーやピンストライプ柄といったクラシックな着こなしでしたね。1990〜2000年代初頭のイタリアでは、ロイヤル オークはかなりツウな洒落者しか着けない時計だったそうです。フランコさんの慧眼には驚かされますね。そのロイヤル オークも今や世界中で大人気になったわけですが、私はフランコさんに倣ってスーツやジャケットと合わせています。ちなみに、白無地のドレスシャツにも抜群に映える。スポーティウォッチながら、これほどクラシックスタイルに合う時計は珍しいですね」

ビスポークのスーツやジャケットに、完璧なアイロンが利いたドレスシャツ、軽やかなセッテピエゲタイ、そして手元にはロイヤルオーク。そんな加賀さんの装いは、流行を超えたスタイルとして完成している。こちらの記事で述べたとおり、タイドアップにドレスウォッチを合わせるのはクラシックの正統だが、ドレスとスポーティの両面を併せ持ったラグスポ時計なら、クラシックの格調をキープしつつ“抜け”を演出できる。これがまた、大層エレガントなのだ。だからこそ、本誌は声を大にして訴えたい。ラグスポ時計こそ、“脱スポ”に着こなすべし!



Profile
加賀健二さん
1964年生まれ。フィレンツェに拠を置くネクタイ工房「セブンフォールド」社の代表で、最高級タイブランド「アット ヴァンヌッチ」を展開。フィレンツェを第二の故郷とし、当地の職人技を心から愛する。



[MEN’S EX Summer 2023の記事を再構成]
※表示価格は税込み。

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