【5分で学ぶ機械式時計講座:腕時計の作り方2/ダイヤルの作り方】

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【ダイヤル】

何百年後も色褪せないエナメル製ダイヤル

主に金属が使われるダイヤルは、さまざまな方法で色付けされている。中でもエナメルは、日焼けや酸化による変色がなく、美しさを保つ。


高温焼成でガラス質を得る

原料となる鉱物や酸化金属の粒子を、乳鉢で細かくすりつぶして粉末状にする
原料となる鉱物や酸化金属の粒子を、乳鉢で細かくすりつぶして粉末状にする。これを水やノリなどで溶いた釉薬を、筆もしくはヘラを使って金属板に施釉する。

ダイヤルには、真ちゅうや銅、ゴールドなどが用いられる。表面を装飾仕上げし、針や植字インデックスを取り付ける穴などを精密に加工した後、電気メッキ(ガルバニック)やラッカー、ニスなどで着色をする。

施釉した上から粉末状にした原料をふるいにかけ、均等に盛る
施釉した上から粉末状にした原料をふるいにかけ、均等に盛る。その後、専用のオーブンで高温焼成。これを何度も繰り返して青を重ねると、深い黒色となる。

写真は、懐中時計の時代からダイヤル仕上げに用いるエナメル技法の作業風景。エナメルは、日本では七宝焼きと呼ばれ、その始まりは紀元前まで遡れる。ガラス質の多い鉱物や酸化金属を粉末状にして溶いた釉薬を金属板に塗布(施釉)し、さらに同じ粉末をふりかけ800度以上の高温で焼成。

釉薬を重ねると、黒っぽくなっていく
釉薬を重ねると、黒っぽくなっていく。文字などの小さな凹凸の間も、均等な厚さになるように細い筆で施釉する。エナメル技法の工程は、ほとんどが手作業。

釉薬が一度溶けて固まると、ガラス質の美しい皮膜が定着する。これを何度か繰り返したり、焼成後に表面を研ぎ出す場合もある。手間がかかるが、数百年経ってもほぼ変色しない実に優れた技法だ。

 

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