読者諸兄には時計好きの方も多いと思うが、機械式時計の基本構造、ムーブメントの仕組みやメカニズムまで、詳細に理解している方はまだまだ少ないのでは?と想像する。そんな方に向けた、腕時計の仕組みを“世界一わかりやすく”解説した本『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』が誕生。その中から一部をピックアップしてご紹介する。
腕時計のしくみ
ムーブメントの装飾の種類【ペルラージュ】
16世紀、ユグノー戦争時のプロテスタントへの迫害から逃れ、多くのフランス人時計師がジュネーブに移り住んだことが、スイス時計産業の萌芽となった。当時、ジュネーブでは金細工が盛んで、それが時計製作と結びつき、さまざまな装飾を生み出していく。1990年代以降、裏蓋からムーブメントを見せるモデルが増えている。
しかし中を見せなかった時代も、ムーブメントは装飾されていた。見えない部分も丁寧に仕上げることが、精巧さの証だったのだ。機械式時計は、美しさを競う工芸品でもある。ここでは、代表的なムーブメントの装飾を解説する。
ペルラージュ(Perlage)とは?
直訳すると、真珠模様。多くの小さな円が重なっている様子から、名づけられた。主にパーツを構築するベースとなる地板と呼ばれる部分に施す。

地板などの見えない部分に施す真珠模様
コート・ド・ジュネーブ同様、機械による自動化が進むが、手作業を守るブランドも少なくない。特に高級時計では、レバー操作で上下できる回転する円筒状のゴム砥石を対象物に短時間押し当て、1つずつ模様を重ねながら全面に広げている。模様の重ね具合は、職人の感覚頼り。すべて均一な半円で重なるよう、地板を回しながら作業を進める。
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『世界一わかりやすい 腕時計のしくみ』
特別定価 :1,980円(税込み)
発⾏・発売:株式会社世界⽂化社
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