耐震装置のしくみ
穴石で衝撃を吸収テン真折れを防ぐ
強い衝撃を受けてテンプが大きく揺れると、テン真が折れてしまい、時計は動かなくなる。耐震装置は振動を逃し、テン真折れを防止する。
2つの石をバネが押さえる

歯車の軸とテン真の各軸先(ホゾ)は、摩擦を軽減するため細く削られている。歯車の両端のホゾは、油を保持するくぼみの中心に穴を設けた人工ルビー製の穴石が支える。そして最も頻繁に動くテンプでは、保油力を高めるためにテン真の穴石の上に受け石を被せている。テン真のホゾは極めて細く、衝撃を受けると折れやすい。そこで穴石と受け石を上から板バネで押さえる構造で、衝撃や振動を逃す耐震装置が考案された。

図は、最も普及している耐震装置インカブロック。穴石と受け石をセットした受け石座は、耐震ブロック内に隙間を設けて収められ、受けた衝撃を逃し、バネを元の位置に戻す。衝撃が非常に大きい場合には、バネが外れて2つの石が飛び出し、テン真のホゾが折れるのを防ぐ。
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