ムーブメントのしくみ
香箱(バレル)のしくみとは?
香箱とはゼンマイが収まる時計の動力機構。それ自体が歯車になっていて、ゼンマイの力で時計を動かす。
[香箱の役割]

機械式時計の動力源は、熱や磁力の影響を受けづらい合金で作られた非常に強力な長尺の板バネを螺旋状に丸めたゼンマイである。それを収めたのが香箱、英語ではバレル(樽)。動力源のゼンマイはテンプのひげゼンマイと区別するため主ゼンマイと、香箱はそれ自体が歯車になっているので香箱車あるいは一番車とも呼ばれる。ゼンマイを巻き上げることで蓄えられた力は、ほどけることで解放され香箱を回し、ムーブメントを動かす。


香箱のしくみ
ゼンマイのほどける力が時計の動力源に?
ゼンマイは、15世紀から時計の動力源として長く使われてきた。渦巻状の板バネがほどける力で動くから、電気も燃料も必要がない。
外側終端が香箱を押し回す

香箱の中心には香箱真が取り付けられていて、その側面の突起にゼンマイの内側終端が引っかけられている。上は、巻き上げ輪列の機構図。香箱の上に載る角穴車は香箱真に取り付けられていて、リューズを回すと香箱真が回ってゼンマイを巻き取り、力を蓄える。

一方ゼンマイの外側終端は、香箱の内側に固定されているため、ゼンマイがほどけると終端が香箱を押し回す。両端が固定されているから、限界まで巻き上げると、リューズは動かなくなる(巻き止まる)のだ。
自動巻きは、着けていると常に巻き上げてしまう。そこでゼンマイの外側終端は香箱の内側に板バネのような部品で押し付けた状態とし、限界まで巻き上がったらスリップして巻き上げ力を逃がしている。
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