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阿由葉さんの取材メモ③
ナポリピッツァの名店で、憧れの鴨志田康人さんに会ってみた!

憧れの鴨志田康人さんに

「さて、今日ぼくがお気に入りのデ・ペトリロのジャケットを着てきたのには大きな理由がある。それはぼくが大尊敬するメンズファッション業界の重鎮、鴨志田康人さんにお会いできる日だから! 待ち合わせたのは、東京屈指のナポリピッツァの名店である、ベッラナポリ。実はこちらの店主の池田哲也さんは、ナポリ仕立てに詳しい服飾評論家でもある。緊張するぼくに、鴨志田さんはいろんなことを教えてくれた。

洋服は、その国の気候や風土から生まれてくること。そしてナポリは“ナポリ国”と呼ばれるほどに、イタリアにおいても独自の文化を持った土地であること…。

イタリアの服は今までたくさん着てきたけれど、やっぱりデ・ペトリロのジャケットが特別に思えるのは、こうしたナポリ文化から生まれてきたからなのだろう。いつかは行かなくてはいけないな。」(阿由葉氏)

“手縫いならではの味わいと、マシンの端正さをミックスした、すっきりとした仕立て”がデ・ペトリロの魅力だと語る鴨志田さん。

「鴨志田さんが袖を通すと、まるでビスポークしたかのようにフィットして、憧れの鴨志田スタイルが完成した。これは人体の曲線になじむ“丸い仕立て”の賜物だろう。

しかも普通のダブルブレストって、フロントボタンを外すと途端にだらしなく見えるのだけれど、これは決してそう見えない。むしろカーディガンを羽織っているかのような、洒落たムードが漂うのだ。

『ラペルがどの辺で返るのかあやふやなところがいい』とは、けだし名言。なるほど、その塩梅が鴨志田スタイルの極意なのかも…。ぼくも真似させていただきます!」(阿由葉氏)

立体的な仕立てに加え、コバのギリギリまで攻めたステッチに、思わず「この価格帯でこれをつくれるのは、ペトリロだけじゃないですか」と口が出てしまう池田哲也さん。

「あまり洋服のオタクっぽい話は好まない鴨志田さんも、デ・ペトリロの縫製技術に舌を巻くとともに、そのコスパに太鼓判を押していた。確かに決して安い服ではないけれど、リアリティある価格のデ・ペトリロは、これからのぼくが暮らし、装う上で強い味方になってくれそうだ。」(阿由葉氏)

「長々洋服の話をしているのもつまんないので、ピザでも食べていきましょう」。

ぼくのような若輩者にも暖かく、そしてフランクに接してくれる鴨志田さんの人柄に、今日はすっかり魅せられてしまった。決して偉ぶらない、軽やかな紳士のためにある服、それがデ・ペトリロなのかもしれない。ぼくもここの服を着ていたら、そんな男になれるかな?

BELLA NAPOLI(ベッラナポリ)

住所/東京都江東区高橋9-3
TEL/03-5600-8986
定休日/日曜、月曜
営業時間/18:00〜22:00

 PROFILE 
阿由葉銀河(BEAMS F スタッフ)

阿由葉銀河

クラシッククロージングをこよなく愛する25歳。日々の装いを記録したInstagram(@ginga_ayuha)を通じて、若い世代に絶大な人気を誇る。ビームスハウス丸の内を経て、現在は原宿のビームスFに勤務。身長175cm。

DE PETRILLO(デ・ペトリロ)
2009年にナポリ郊外で設立された、家族経営のファクトリーブランド。“サルトの精神で、大量生産ではなく、一枚ずつ丁寧に仕上げること”をモットーに、クラシックとモダンさを兼ね備えたジャケットを仕立てている。

撮影=高原健太郎

2025

VOL.345

Spring

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