ドレスコードありの豪華なレストランでイタリアンを堪能

シャワーを浴びて、ジャケットを着込む。というのも今夜は、メインダイニングの「ミラノ グリル-ラ ステラ-」に行くから。ホテルの最上階にあるファインダイニングはグアム初とのこと。無論、ドレスコードあり。気軽なバフェもいいけれど、リゾートに来て、正装し、食事をいただくというのも大人の楽しみ方であろう。
最上階に位置し、あの恋人岬とほぼ同じ高さだという素晴らしい眺めのディナー体験は、確実に旅の記憶に残すべきシーン。だから、完全に暗くなるちょっと前に入るのがお勧めだ。

プリフィクスのコースをオーダー。


プリッとしたロブスターのアペタイザーはズッキーニとの組み合わせがいい。キリリと冷えた白ワインと。スープは大好きなので必ずいただくようにしているが、まさかの連続ロブスター。


フェンネルとスモークトマトを使ったロブスタービスクをあえて選んだら、これがもう濃厚で絶品。好み。パスタは歯ごたえのいいリガトーニにピリッとした辛さのトマトソースでさっぱりと。

その反動というわけでもないが、メインはアンガスビーフのフィレミニヨン。フォアグラのソテーが乗っていて、ボリュームもしっかり。ほろり柔らかく口の中でほどけていく。デザートはアップルガレットとバニラアイスクリームで、今夜の最後を飾る。これで150ドル(サービス料別)というから、かなりリーズナブル。
格式があってスーッと背筋が伸びるのに、ふわっとリラックスして食事ができる希有なレストラン。それは、クラブラウンジでも感じたのだが、きちんとわきまえつつも、フレンドリーにサーブしてくれるスタッフたちのおかげだろう。

The Tsubaki Tower La Cantina
こんな素敵な夜をこれだけで終わらせるのはもったいない。レストランの隣にあるバー「ラ カンティーナ」へと足を向けた。48席もある大人な雰囲気のバーで、グランドピアノが置いてあり、バンドの生演奏なども行われている。久しぶりの海外旅行の締めくくりにふさわしい。シングルモルトを一杯。

さて、明日はチェックアウトをするだけ。泡風呂でも作って、今夜はのんびりしよう。正直なところ滞在中もつい、ハワイと比べてしまう自分がいた。そして、どちらもいいのだが、グアムのよさをかみしめることが度々あったし、車以外の移動がほぼないなど不便なところもいくつか発見もした。
ということで、また、新たな発見をするべく近いうちにグアムを訪れようと思う。雨期から乾期へと切り替わるグアムのベストシーズンは1~5月くらいだという。1~2月の日本が厳寒の頃、ほんの4時間で素晴らしい晴れの日を味わえるのだから、これはいい。実はハワイって、冬の間はわりと寒い。こうしてまた旅が日常へと戻ってくると、きっとボクの鈍った旅の勘も少しずつ取り戻されるはず。そんな意味でもグアム、最適ではないか。
取材・文/藤村 岳