内外装も最新に、ポルシェらしい走りはさらに進化

エクステリアでは、フロントノーズセクションの中央部分がブラック仕上げとなり、精悍な印象になった。リアのLEDランプはベースモデルと差別化が図られモノトーンカラーになっている。またディフューザーには4本出しのエグゾーストパイプがビルトインされている。

インテリアも大幅に刷新された。最新のポルシェモデルに共通するデザインで、センターコンソールまわりからは物理スイッチをなくして、タッチパネルを採用している。センタースクリーンは、10.9インチのタッチ式となり、今どきの音声コマンド対応となった。ダッシュボード上部にはアナログ時計が配置されている。新デザインのマルチファンクションGTスポーツステアリングホイールは911由来のものだ。

そして足まわりには、スポーツエアサスペンションを標準装備する。先代より車高を10mm低く設定し、シャシー剛性はフロント10%、リアは15%高められている。先代のGTSで市街地を走行すると少々かたさを感じたものだが、新型は21インチサイズの大径タイヤを履きこなし、洗練度を高め快適性とダイナミック性能をうまくバランスさせている。

ダンパーは、ポルシェアクティブサスペンションマネジメント(PASM)によってノーマル、スポーツ、スポーツプラスと減衰特性などを変更することが可能。

スポーツを選択すれば、サスペンションは引き締まり、ロールが抑制され、気持ちよくコーナーを曲がることができる。車両重量2トンもあるSUVなのに、まるで小さなクルマであるかのように感じられる。
さらに「マカン」のディテールをチェック(画像3枚)

デビューから8年が経ったいまもベストセラーモデルであることにはわけがある。SUVであってもポルシェはポルシェ、走る、曲がる、止まるのクルマの三原則がきっちりと出来ている。電気自動車へ移行する前に、選んでおいて損はないモデルだ。
撮影=茂呂幸正 構成=iconic 文=藤野太一