過疎の問題をクリアするための移住だが道のりは遠い
平澤 でも、日本には他にもこういう場所があるわけですよね?
岡崎 確かに。過疎の問題を抱えている場所もありますよね?
岩城 ここも過疎なんですよ。30年前には約3万人いたのが、今は1万3500人。2040年には4500人になると言われてしまっています。地方の町は8000人を切ると社会インフラの問題がおきて自治体が回らなくなってくるんですね。珠洲市の総合病院も経営が難しいですし、ゴミ処理も隣の町と一緒に処理したりしています。高齢化率は52%で、日本の田舎は大体似た状況だと思います。豊かさがあって、みんなが幸せに生きているけれど、高齢化が進めば20年後には無くなってしまうかもしれない。私はそれがイヤなんです。だからそのためには何をすればいいのか考えるわけです。
岡崎 なるほど。ようやく岩城さんの思想が見えてきた気がしますね。
岩城 結局は人口を増やすしかないんです。でも日本全体で人口が減っているのにここだけ増やすというのは難しいし、歪みが出ます。他の田舎から人が減るみたいに。だから国もやっていますが、人口が密集している都市部から少しずつ人を流す必要がある。
平澤 都市部から地方への移転、移住。そうそう簡単な話ではないのは分かっていましたが、聞けば聞くほどその土地での問題も奥深いですね。後編で、さらに深掘りしてお話を伺っていけたらと思います!
今回試乗したクルマは「MAZDA CX-5」


MAZDA CX-5
マツダが2017年に発売を開始し、2021年末にデザインや快適性を向上させる大幅な改良が施されたCX-5。市街地、雪道などの悪路、ロングドライブとあらゆる場面でその性能をいかんなく発揮する。高速道路の走行中にアクセルやブレーキ、ステアリング操作をアシストする「クルージング&トラフィックサポート」を備えているので、ロングドライブにも適している。価格は267万8500円~。
MAZDA 公式ページ
写真/河野敦樹 文/iconic