
仮縫いを経て遂に完成したジャケットに袖を通して、画伯はこう語った。「カフスはコートのようなターンバック。サイドポケットは散弾銃の弾を入れやすいアコーディオンポケット。背中のアクションプリーツ&インバーテッドプリーツとシューティングジャケット本来のアクション機能も備わっていて、まさにフィッツジェラルドが着ていたノーフォークジャケットだね。ここまで本物の仕様を再現できるのは本当に凄い! ハリのあるツイードも味があって、まるでヴィンテージの服みたいだ。生地も目がつんでいるから、セーターの上にコート感覚で着ても十分暖かい。タイドアップもいいけど、ラルフ・ローレンがよくやるように、ベルトだけ留めて、前ボタンは開けてラフに羽織るのもいいね。純国産の生地を使った、日本の一流職人による伝統パターン縫製のビスポーク。一生ものの一着だ」

テーラー
高橋光夫さん
大正6年に創業された上原洋服店のチーフカッターを務め、宮内庁や白洲次郎氏の洋服を仕立てた経験を持つベテラン職人。
スローン レンジャー トウキョウ代表
大西慎哉さん
テーラーと英国ヴィンテージウェアを中心に展開する、スローン レンジャー トウキョウを運営。英国のファッションや文化に造詣が深い、ブリティッシュクラシックのスペシャリスト。
[MEN’S EX 2022年3月号DIGITAL Editionの記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
※表示価格は税込み