テンテケテケテケ、テンテン、パフッ♪えー、毎回コンサバなアイテムをお題にいただきましてあれやこれやとお洒落に説きます大人のコンサバ大喜利。いい答えには座布団さしあげて。

お題/ランドナー
ランドナーとかけまして、ベンツのEQシリーズと解く。そのココロは?
ニューノーマルスタイルっていうんですか? コロナでアタシらの生活もすっかり変わっちまいましたが、なんですかいま自転車が人気らしいですな。スーツにリュックを背負って自転車通勤してるビジネスパーソンさんも多いって言うじゃないですか。
そこ行くと、アタシなんざ昔っからどこへ行くにも自転車です。「ポータークラシック」のパラカ柄のパッチワークジャケットや、「ポストオーバーオール」のフレンチチャイナジャケットにメルトンの半纏なんぞを羽織ったりして、気分はNHKのBSでやってる『日本縦断 こころ旅』の火野正平であります。
アタシの愛車のチャリオは、「エルエルビーン」のロードバイク。先日、世田谷の自宅から原宿まで展示会を見に行きましたら、セレクトショップのおにいちゃんから「カッコいい自転車ですね」と言われちゃいました。「昔買ったやつでサドルもフレームもボロボロですよ」なんて答えましたが、心の中では鼻高々でした。
ちなみにコンサバ自転車オヤジたちの憧れ、火野正平が乗っているチャリオは、「トマジーニ」というブランドの「シンテージ」というモデルで、イタリアの自転車工房が作ったオールハンドメイドの高級ロードバイク。パーツを含めれば50万円近くするそうですよ。アタシも火野正平になりたぁーい。
するとこれを聞いてた座布団運びの担当のハシモトくんが、「ボクの愛車のチャリオだって高級車ですよ」と言い出した。なんとハシモトくんの愛車のチャリオは、いまや高級なクラシックツーリング自転車の「ランドナー」だそうですよ。
いやぁ、さすがは昭和好きなハシモトくん。懐かしいねぇ〜、ランドナーといったら、アタシが小学生の頃に読んでた『少年キング』で連載してた庄司としおの『サイクル野郎』で、自転車で日本一周をする主人公が乗っていたサイクリング車じゃありませんか。某有名テーラーのオーナーが乗ってるのを見て憧れて、ランドナーの専門店で中古で購入したんだとか。
中古のランドナーとはいえ、そこはM.E.の編集者の端くれ。ハンドメイドの日本製ツーリング車の老舗ブランド「東叡社」のもので、クランクやギアもフランス製のパーツを使っているン十万した高級車なのだ。さらにハシモトくんは、オーダーで仕立てたエルメス風なサイクリングバッグを装着して、古着で探したラルフ ローレンのコーデュロイのニッカボッカを穿いてツーリングに行くという凝りよう。いいですね~、これこそまさにニューノーマルな時代の大人の趣味ですよ。
でもハシモトくんがそれやるとただの昭和好きなコスプレ野郎で、全然似合わないんですけどもねぇ。
えー、ということで今回のお題は「ランドナー」でいきましょう。ランドナーとかけまして、「ベンツのEQシリーズ」と解きます。そのココロは、ランドナーにもベンツのEQシリーズみたいな電動式がほしいです。ニューノーマルな時代の大人の趣味も、還暦を過ぎたらコンサバに上り坂はキツイっす。人生下り坂最高~。バーイ火野正平。

[MEN’S EX 2022年2月号DIGITAL Editionの記事を再構成]