
アルピナの哲学が詰まった最新フラッグシップB8
ドラマチックな黎明期の物語に加えて、アルピナは現代に至るまで高性能の保障と少量生産主義、そしてBMW AGとの緊密な連携(BMWアルピナと名乗り、エンブレムはBMWのプロペラをそのまま使用)を貫いている。これらがアルピナを世界的に有名なハイエンドブランドたらしめた。
そんなアルピナの最新モデルがB8グランクーペ アルラットだ。もちろんベースはBMWの最高級モデル、8シリーズグランクーペ。GTとしてはもちろん、スポーツカーとしても一流の性能を誇る8シリーズをアルピナはいったいどのように仕立て直したのか。日本で登録されたばかりのB8を駆って東京から京都までロングドライブテストを試みた。
実はアルピナで京都まで走る経験はB8で三度目だ。一度目はB3で、二度目はD3S、そしていきなりトップエンドのB8というわけである。果たして筆者の下した結論は、B3とB8の2台がベスト・オブ・アルピナ、だった。つまりアルピナにおける入門機と最上機がベストチョイスだったというわけで、それだけでもブランドの凄みがわかるというものだ。
B8グランクーペの魅力はなんといってもドライバビリティ(運転しやすさや心地よさ、自然さ)とパフォーマンス(加減速やハンドリング)が非常に高いレベルでバランスがとれていること。とことんビスポーク可能なインテリアとあいまって、スタンダードモデルよりいっそう上質な移動空間を生み出した。もはやスポーツドライビングのことなどどうでもいい(もちろん素晴らしい)。高速道路をただクルージングしているだけで無上の悦びを得られる。移動の1秒1秒が上質という点で、この価格帯においてB8に勝るモデルは世界中を見渡しても見当たらない。英国高級ブランド級のハイクオリティなドライブフィールである。
B3にも共通するアルピナの魅力は“とろけるようなクルージングフィール”にあると筆者は思っている。
今月の1台 BMW ALPINA B8 Gran Coupé(画像5枚)
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[MEN’S EX 2022年2月号DIGITAL Editionの記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)
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