スーツ大賞2021 2大ディレクター&M.E.が選定
【クラシック スーツ大賞】Classic Suits Award
“ナポリの新鋭も急伸”
――太田さん

BOGLIOLI
ボリオリの「ドーヴァー」

2008年に登場し、アンコンジャケットの先駆けとなった「ドーヴァー」。こちらはそのスーツで、ジャケット同様に快適な着心地。生地も軽量な目付け240gのフラノを使用している。’19年にはラペル幅を広げ、着丈をやや短くしてアップデートを果たした。17万6000円(三崎商事)
CANALI
カナーリのダブルスーツ

1934年創業の老舗で、日本でも古くから親しまれてきた名門ブランド。仕立てもさることながら洒脱な生地表現も魅力で、こちらはグレンチェックにブルーペーン。控えめでありながらモダンなムードが薫り、若々しさも備えたダブルスーツだ。35万2000円(コロネット)
TITO ALLEGRETTO
ティト アレグレットの千鳥格子スーツ

ルビナッチに勤めたのちナポリの一流ブランドでビジュアル・マーチャンダイザーを担当してきたアレグレット氏によるブランド。ポケットの下まで通したフロントダーツや雨降り袖など、ナポリの注文服的意匠がふんだんに盛り込まれている。16万9400円(エストネーション)
前回に続いてクラシックスーツ大賞のスーツをご紹介。

平澤 アンコンの火付け役となったボリオリはどう評価されますか?
太田 非常に軽く柔らかいのですが、作りはしっかりしていますね。
中村 もともとはフル毛芯の伝統的スーツを作っていたので、その素地が活かされているのでしょう。
小曽根 では、古参のカナーリはいかがですか?
中村 意外とゆったりしたフィッティングなんですね。でも襟のラインが綺麗ですし、ゴージが低めなのもクラシックな雰囲気だと思います。
太田 ここも昔からしっかりした服作りをしていますよね。
平澤 ナポリの新鋭、ティトも最近、注目度が高まっています。
中村 ナポリサルトの雰囲気を上手く表現しています。フロントダーツを裾まで通すのも、既製服工場でやるのは難しいんですよね。
太田 土着的なナポリテイストが好きな方にとっては、大変リーズナブルに感じられると思います。

Profile
[中央左]ビームス クリエイティブディレクター
中村 達也さん
これまでのMEN’S EXのスーツ特集の座談会には最多登場となるスーツのご意見番的存在、ビームス クリエイティブディレクターの中村達也さん。
[中央右]ソブリン ブランドディレクター
太田 裕康さん
ソブリンのブランドディレクターである太田裕康さんは、2021年秋にブランドを一大リニューアルし、大人のクラシックスタイルを牽引。オリジナルスーツ開発にも力を注ぐ。
[右]ファッションエディター
小曽根 広光
MEN’S EX時代にもスーツ特集を数多く担当、ビスポークスーツにも造詣が深いファッションエディター小曽根。
[左]MEN’S EX編集長
平澤香苗
編集長の平澤は、イタリア出張時にビームス中村さんとスーツファクトリーを多数訪問。自身でもイタリアンブランドのオーダースーツを愛用する。
[MEN’S EX Winter 2022の記事を再構成]
※表示価格は税込み