旅の疲れをスパと友人との語らいで癒やす

夕方になり、近頃、京都で評判のサロン“スパ ナーセリー ジャパン”へ。京都産の柚子の精油を使った化粧品が日本のみならず中国やアラブ圏で大ヒット中のご当地コスメブランドを展開しているこちら。大丸を背にして堺町通りを南に行ったところにある。太閤石が目印で京都らしい佇まい。

ここではお勧めというヘッドスパにトライ。まさかこんなに歩くことになるとは予想していなかったので、ボディマッサージと迷ったのだけど……。まずはウエルカムドリンクで、ホッと一息。あまりにノドが渇いていて、お代わりまで。施術はマイクロスコープで頭皮の状態チェックから。毎日きちんと洗っていても、毛穴まわりにどうしても詰まってしまうらしく、皮脂のこびりつきがところどころに。頭皮はやや硬いものの色はそんなに悪くないので、そこはちょっと安心。
ブラッシングから始まり、正中線をきちんととりながら行うのがここの特徴。元々、こちらのスパのオーナーはゴッドハンドのエステティシャンだったからであろう、スタッフレベルが一様に高い。しかも世界エステティックCIDESCO認定スパでもあり、その手技の見事さに驚嘆した。本当は取材だから寝てはいけないのだけれど、抗うことができず途中で陥落。一応、ボクも美容のプロなのでしっかりレポートしようと思ったのに……。

オリジナルプロダクトの2種類のオイルで頭皮をほぐし、ツボを押しつつマッサージ。頭皮の余分な角質が優しくとりのぞかれ、スチームを当ててほぐされる。そして肩や首も揉んでもらい、最後は毛先にトリートメントを施されてウルツヤ髪へ。ドライとブローをされて、出来上がり。顔、ひとまわり小さくなってびっくり。ビフォー/アフターの写真撮っておけばよかったな、と後悔するほど。
なぜ、こうも変わるのかということを一応プロとして解説すると、頭皮~顔は言うまでもなく一枚皮(まあ、当然その先のカラダも繋がってはいるが)。頭頂部でポンプのように働く帽状腱膜がギュッと固まってしまうと、血行不良になり顔に老廃物が溜まりやすくなる。すると顔はむくんで、大きくぼんやりとした輪郭に。そこで頭皮をしっかりケアすると、その強張りがとれてスッキリと小顔になるという算段。

夜は2年以上会っていなかった友人と合流。あえておばんざいでもなんでもない普通の居酒屋で乾杯した。緊急事態宣言があけて、こうして酒を酌み交わすだけでもうれしさがこみ上げる。やや無粋なアクリル板に遮られてはいるものの、こうした飲食店や利用客の努力の賜物がこの幸せな時間なのだ。8時を過ぎるとアルコールの提供ができないとのことで、早々にホテルに戻る。仕事を少しして即、就寝。エアウィーブ製の高反発ベッドは腰の悪いボクにとってはかなりありがたく、グッスリと寝ることができた。
後編に続く
取材・文/藤村 岳