ノイズを抑えた軽快なディーゼルエンジン

新たに追加されたエンジンは、最高出力204ps、最大トルク430Nmを発揮する最新の2リッター直列4気筒ディーゼルエンジンにマイルドハイブリッドシステムを搭載したもの。8速ATを組み合わせ駆動方式はもちろんAWDだ。約2トンある車両重量に対して、2リッターでは物足りないかと思いきや、走り出しはモーターのアシストもあり、また1750回転から430Nmというトルクを発揮するだけに、大人3人に荷物満載のシチュエーシェンでも力強く軽快に走る。何よりもディーゼルのノイズが抑え込まれており、とても洗練された印象を受けた。

F-PACEは、ジャガーが得意とするアルミニウム素材をボディに多用し、前後重量配分はほぼ50:50(カタログ値は前軸1040:後軸990kg)と、スポーツカーメーカーとしてのこだわりがしっかりとつまっており、それがおのずとハンドリングにあらわれている。
同門のランドローバーが新型ディフェンダーなどの導入で活気づくなか、F-PACEは陰に隠れた存在になっていたようにも感じていたけれど、なかなかどうしてさすがの出来栄えだと思う。熟成の進んだジャガーのSUV、再考には絶好の機会だ。
文/藤野太一 写真/デレック槇島 編集/iconic