
大人の日常生活は、微妙なピンチの連続です。適切な言い訳を繰り出して、自分を守りつつ周囲のストレスを最小限に抑えましょう。
今月のテーマ
オンライン飲み会の誘いをカドを立てずに断わる……
まだまだ外で集まって飲むのは難しい状況だけに、引き続き「オンライン飲み会」のニーズは根強くあります。ただ、「あれは苦手」という声も根強くあります。
否定派のあなたに対して、職場の先輩が「お互いに在宅勤務で顔を合わせてないし、たまにはオンラインで飲もうよ」と連絡してきました。基本、家にはいるのですが、全く気が進みません。さて、どう断わったものか……。
正直に「オンライン飲み会は好きじゃないんです」と言うのは危険。前のめりに誘ってきた先輩は、「あんなものしたがる人の気が知れない」と侮辱されたような、ひいては全人格を否定されたような気になってしまうでしょう。
候補日を提示されたとして、すべて「出かける予定がある」と返すのは、このご時世、不自然かつ露骨です。ここは温故知新というか、先人に学ぶというか、古典的な理由を持ち出してきましょう。そう、身内の非常事態です。
「近くに住む妻の高齢の伯母さんが、今ちょっとアレで、何かあったら駆け付けられるように、夜はお酒はアレなんですよ。しらふで参加するのはさすがにアレですし」
自分や妻の親だと話も嘘も大きくなるので、ここは「妻の伯母」ぐらいが適役。あえて「アレ」を連発して、暗に詳しい説明を拒否しているのもミソ。もしかしたら先輩は「断わる口実かもな」と察する可能性もありますが、だとしてもカドは立ちません。
はっきり言わずに意志を示したいときは、日本語の曖昧さを大いに活用しましょう。
言い訳の極意
ベタな理由で断りつつ、
もし察知されたとしても、
阿吽の呼吸を期待する――
それもまた言い訳なり
[MEN’S EX 2021年12月号DIGITAL Editionの記事を再構成]