綿谷画伯のコンサバお洒落妄想旅計画

家に籠る時間が増えると、自ずと旅への想いが募るもの。訪れたい地へ想いを馳せれば、何を着ていくか、何が食べたいかと、そこでの楽しみ方が浮かんでくる。取材に遊びに、国内外のあらゆる地へ足を運んだ、画伯が思い描く、とっておきの旅計画を参考に、ぜひ貴方も自身の旅の妄想を膨らませて欲しい。

越後湯沢の隠れ家探し旅

お荷物か？ 宝物か？ 体験したい湯沢のマンション

空き家になっていたカミさんの実家の“家じまい”と法事を兼ねてクルマで新潟へ。

結婚以来走り慣れた関越自動車道も歳とともに通う回数は減り、こうしてだんだんと疎遠になっていくと思うと寂しいものだ。

道中、関越トンネルに入る前に谷川岳PAでひと息。休憩所で何気に手にした越後湯沢の観光フリーペーパーのページをめくると、目に飛び込んできたのは湯沢のリゾートマンション情報だ。

えっ、築30年。苗場の1LDKマンションが10万円!?

賃貸ではない。売買の価格だ。もちろん別途で月々の管理費と修繕積み立て金はかかるが、にしても破格の安さ！他にも、レストランやスポーツジム、温泉露天風呂、カラオケルームなどが完備した、新築売り出し当時は数千万円はしたであろう豪華リゾートマンションが現在200～300万円で売り出し中。これらはバブル景気に浮かれた’90年代にスキーブームも相まって湯沢町に林立したマンションなのだ。バブル崩壊後は年々スキー人口も減少し、またマンションオーナーの高齢化に伴い別宅がお荷物となって売りに出されるケースが多いのだとか。

おっ、売買の他にレンタルもあるぞ。2Kの間取りで42m²定員4名の部屋が30日利用で約10万円か。なるほど～。まずはここを基地に仕事道具と遊び道具を持ち込んで、湯沢で一ヶ月。プチ別荘暮らしを体験するのもアリだな。

湯沢のレジャーは冬のスキーだけじゃない。県内屈指の清流・魚野川では春から夏にかけてヤマメやアユ釣りができるし、大源太湖周辺から大源太山麓一帯は大源太キャニオンと呼ばれ、トレッキングやキャンプ、カヤック体験などアクティビティが魅力のアウトドア天国だ。ゴルフもいいな。平日は乗用カートセルフ・昼食付。ツーサム割増なしで5千円。安っ！

そうそう。遊んでばかりではおまんまの食い上げだから仕事もちゃんとするよ。今流行りのワーケーションってヤツだ。完成したイラストは近くのコンビニに行ってマルチコピー機でスキャニングしたらノートパソコンからデータ送信して、ハイ一丁上がり！　って、大自然を前にそんな器用なことができるかな？自信ないけど……。

とまあ、そんな話を担当ハシモトくんにしたら「画伯、是非越後湯沢にリゾートマンションを借りてください！　ボク、原稿を受け取りがてら遊びに行きますから♡」と。何だよ、今まで原稿を取りに来たことないくせに（笑）。

男はいくつになっても隠れ家が欲しいんだよね～。新潟はまだまだ疎遠になりそうもない。

［MEN’S EX Autumn 2021の記事を再構成］