生態系や文化を通して“もう一つの富士山”を学ぶ


天候不良のため、残念ながら今回は頂上アタックを見送ったものの、その日の天候や下山後のゲストの体力に合わせて、ホテルへチェックインするまでの時間を使って富士山を存分に堪能できるコースをアレンジしてくれるのもこのプログラムの大きな魅力の一つ。この日は、近藤さんが四季ごとに訪れるという秘密の場所へと案内してくれた。

「富士山には山頂を目指して歩く登山道以外にも、一般の人が歩くことのできるルートがたくさんあります。その中の一つが奥庭ルート。庭という地名から庭園を思わせるような自然の楽園が広がり、様々な高山植物と富士山の雄大な景色が広がります。ここから眺める富士山が大好きなんです。自分と富士山との距離感が、遠すぎず、かといって近すぎない、なんとも絶妙に感じられるからです。今の時期は新緑、これが秋になると木々が一斉に紅葉し、一面が黄金色に染まる圧巻の景色に。特に、風雪に耐え矮小化したカラマツの生える姿はなんとも神秘的。四季折々で多彩な表情を楽しませてくれる場所です」。
富士山にまつわる土地や文化、人々の営みも含め、たくさんのことを学ぶことができ、富士山を愛してやまない近藤さんの生き方にも感銘を受けた。
