

M.E.:確かに、時計もジェンダーレスが進んでおり、楽しみ方の幅も広がっていますからね。IWCはいち早くそうした視点も取り入れていると思います。
ヘア氏:世界のトレンドを見てみますと、今はよりカジュアルなスタイルが好まれるようになっています。それに伴い、スポーツウォッチもよりカジュアルなスタイルが好まれるようになっていると感じます。
仕事でもレジャーでもパイロット・ウォッチをモダンに楽しんでもらえるよう、ブレスレットタイプを導入し、チェンジャブルストラップを採用しました。
パイロット・ウォッチを単に美しいアヴィエーション・ウォッチへのオマージュとしてだけでなく、場所、シーン、装いを問わず着けることができる時計にしたかったのです。
M.E.:IWCの顧客も志向が変わってきているのでしょうか?
ヘア氏:IWCのお客様の多くは、簡単に成功を手にしたい方々というよりも、情熱をもって何かに挑戦し続けたいという思いを持っていると感じています。そうした方々はIWCの物づくりに共感してくださっています。明らかにラグジュアリーであることよりも、控えめな主張、さりげない価値、アンダーステートメントを大事にするお客様が多いように思います。
M.E.:ちなみに今回の新作で個人的なイチオシを上げていただくとしたらどれでしょうか?
ヘア氏:難しい質問ですが、初めて買う時計という視点で選ぶならば、パイロット・ウォッチ・クロノグラフ41のグリーンダイヤル・ブレスレットタイプですね。オールラウンドに使えますし、深みのある暗めのグリーンの色合いは本当に素晴らしいです。
ステンレスとのコンビネーションもいいです。さらに人間工学に基づいたケースの形状、装着性の良いブレスレット、その品質の高さと価格とのバランスに優れていると思います。
また、エグゼクティブにはビッグ・パイロットのパーペチュアルカレンダーのSSケースもオススメです。複雑機構をスポーティなパイロット・ウォッチに搭載したという点もユニークですし、7日間パワーリザーブを搭載し、ムーブメントの仕上げも美しい。
これだけの複雑機構を搭載していながら、値段が控えめというのも、自分で言うのもなんですが、驚きです(笑)。機械式時計作りへの憧れ、そして、アヴィエーション(大空)への憧れが詰まった1本だと思います。
※表示価格は税込み