大人の日常生活は、微妙なピンチの連続です。適切な言い訳を繰り出して、自分を守りつつ、周囲のストレスを最小限に抑えましょう。

今月のテーマ/リアルな会議の話が出たけどリモートでやりたい・・・・・
業種によっては、すっかり「リモート」が定着しました。いざやってみて、その楽チンさや気楽さのトリコになっている方も多いのではないでしょうか。
しかし、年配の世代(=偉い人たち)の中には「顔を合わせてナンボ」と考える人は少なくありません。今日も、誰が言い出したのか「週明けの会議は社内で」という話が決まりかけています。リアルからリモートに方向修正するには、どんな言い訳を繰り出せばいいのか。
正直に「会って話すほどの内容でもないし、移動の時間が無駄ですよね」と言ってしまうのはタブー。「えっ、いまどきリアル会議ですか」と核心を突くのは、もっとタブーです。
自分の希望を通すには、まず相手の意見を尊重するのが鉄則。メールやチャットで「久しぶりに直接会うのもいいですね」と書いて、“リアル派”に寄り添いましょう。その上で、
「あー、でも、私はいいんですけど、テレワークを推奨している政府がなんて言うか……」
と、大きな権威を持ち出してきます。実際になんか言われるわけはなくても、リアル派が後ろめたさを覚えてくれるかも。あるいは、
「私、リモート会議での課長の仕切りって、芸術的だと思うんです。間の取り方も表情の作り方も、すごいですよね。せっかくですから、たっぷり勉強させてもらえないでしょうか」
そうおだてることで、リモートへの意欲をかき立てるのも有効。そして、言い訳の甲斐あって「やっぱりリモートで」となったら、いちおう残念がっておくのが大人の配慮です。
言い訳の極意
自分の意見を通すために、
まずは同意しているような
前置きで相手に寄り添う──
それもまた言い訳なり
[MEN’S EX Spring/Summer 2021の記事を再構成](スタッフクレジットは本誌に記載)