[右]フィレンツェスタイルの真髄を味わえる一着
[左]技術はもちろん提案力も素晴らしい。
今、大注目しています
Kaga’s FAVORITE

[右]SARTORIA SEMINARA(サルトリア セミナーラ)
極上のカシミア×ビキューナで仕立てた春ジャケット
フィレンツェを代表するサルトリアの一角として世界的な地位を誇る名門。ラペルのカッティングやショルダーライン、フロントカットなど全体的に曲線美を強調した仕立てで、大人の余裕を感じさせる一着だ。加賀さんとは旧知の友人でもある。「土着性の強い、忠実なフィレンツェスタイルの継承者ですね。このジャケットは2007年に仕立てた古いもので、春夏向けのカシミア×ビキューナ素材。生地の柔らかさを活かすために、背抜きで仕立てられています。実はこの一着、当時セミナーラで修業していたコルコスの宮平康太郎さんも製作に携わっていました。そういう思い出も含めて手放せないジャケットです」
[左]KAZUO ISHIKAWA(カズオ イシカワ)
今後、大躍進が期待されるニッポンテーラーの有望株
サルトリア チッチオで上木規至氏の右腕的職人として長年活躍した石川和男氏が、満を持して立ち上げた注目株。「まだ知る人ぞ知る存在ですが、私は昔から彼を知っていることもあって非常に注目しています。もう3着ほど仕立ててもらったのですが、こちらはつい最近完成したジャケット。一風変わったグレーのアイリッシュリネン生地は、石川さんのおすすめで決めました。“パリっぽい感じで”とイメージを伝えたら、彼が提案してくれたものです。作風としては、独特の存在感を放つラペルのラインが目を惹きますね。蹴回しを短めに設定しているのも面白いバランス。ショルダーラインも美しく、技術力の高さを感じさせます」
Profile
セブンフォールド代表 加賀健二さん
世界的人気を博するタイブランド、アット ヴァンヌッチの代表。その工房として、フィレンツェでセブンフォールド社を営む。また同地の高級紳士服店「タイ ユア タイ フローレンス」代表という顔も。
[MEN’S EX Spring/Summer 2021の記事を再構成]
※表示価格は税抜き