大胆に行われたフェイスリフトの内容は?

さらにディーゼルエンジンは安定した燃焼を狙ってインタークーラーを空冷から水冷へ変更し、アイドリングストップ機能を加えている。燃費性能を従来の11.6km/Lから13.6km/L(WLTCモード燃費 11.7km/L)と約15%もアップしたこととなっているが、同時に制御を見直したようで、とにかく扱いやすい印象を強めている。ターボユニットながら、突然にトルクが盛り上がるような違和感(加速感が突然強く湧き出してくるようなフィーリング)はあまり感じられず、大排気量のNAエンジンのように、発進時から高速域まで太いトルク感を伴って、高回転域まで加速を続けていく。
もちろん、ディーゼルユニットのカラカラといった燃焼音は存在するが、そういった外からのサウンドをうまく遮断しており、キャビンへ届く頃には耳障りな音質は消え去っている。
最後になったが、フェイスリフトは大胆な内容だ。グリルは台形かつ大型として、その縁取りにZグレードではメッキを用い、さらに日本仕様ではバンパーガードガーニッシュをバンパー下に加えることでアクティブさをアピール。ヘッドランプは薄型デザインとして、さらにZグレードではBi-Beamタイプを採用。これらによってフロントフェイスは大きくイメージを変えている。
今回の改良は文字にされてしまうと地味に感じるものばかりだが、実際のポテンシャルアップは相当なもの。ハイラックスってトラックでしょ? なんてマイナスイメージを持たれていた方も、乗ってみると、これなら日常でも使えるんじゃない? そう感じられるほどの仕立てに驚くはず。
個人的に大好きなモデルであるジープ ラングラーと比較するとすこぶる快適だし、ディーゼルエンジンによる燃費性能、頼もしさあふれるトルク感など、アドバンテージは多い。ただ、全長5mオーバーのボディサイズと、ラゲッジスペースがオープンエアとなることを、どう捉えるか…。ウィークポイントと捉えるのか、アドバンテージと捉えるのかは、皆さんのライフスタイル次第だ。
文/吉田直志 写真/トヨタ自動車 編集/iconic