
在宅勤務が定着しつつある今、自宅だからこそ、きちんとリフレッシュしてメリハリのあるビジネスライフを送りたい。そんな時に気分を盛り上げてくれるのが、いつもとはちょっとだけ贅沢な味や香り、時間を提供してくれるスペシャルなコーヒーだ。料理を引き立てるコーヒー選びのポイントや、珈琲鑑定士が選ぶシングルエステートビーンズ、自宅での焙煎キットや使い込むほどに味の出るグッズなど、ステイホームを豊かにしてくれる3選をご紹介。
【在宅贅沢コーヒー1】カフェファソン(東京)
鍋にも味噌汁にも! 料理とコーヒーの意外な相性の良さを発見、 自由自在なオリジナルブレンド

料理やパン、スイーツなどに合わせる「コーヒーぺアリング」で知られるコーヒー焙煎士、岡内賢治氏。中目黒と代官山の「カフェ ファソン」のオーナーで、そしてミシュラン星付きレストランなど全国100店に豆を卸す他、様々なコンサルティングも行っている。
扱うのは、流通するコーヒー豆の約5%という稀少な「スぺシャルティーコーヒー」と呼ばれる豆だけ。代官山コーヒースタンドのすぐそばにあるロースターアトリエのオランダ製焙煎機「ギーセン」で自家焙煎し、焙煎したてのフレッシュな豆を提供している。単一農園のシングルオリジンも数多く扱うが、ここは、様々なペアリングを提案する岡内氏だけに、シチュエーション毎にブレンドされた豆をおすすめしたい。オンラインで販売されているブレンドは7種類。

なかでも冬の寒い時季におすすめなのが「おうちブレンド」。岡内氏曰く「深煎りの豆のブレンドで、その名の通り、ほっこりとしてもらえる味わいに仕上げました。ローストの香ばしさとコクがあるので、すき焼きや甘辛く煮た濃いめの味のお料理にもおすすめ」とのこと。また、仕事の合間の軽やかなリフレッシュにぴったりなのが「なかめブレンド」。「アメリカンのようなイメージの浅煎りで、すっきり飲めるけれど、カフェインの覚醒作用があり気持ちがシャキッとしますよ。あっさりとした味付けの和食全般とも相性が良いです」(岡内氏)。
では、朝食の定番、ご飯と味噌汁のあとに飲むとしたら?「味噌汁は発酵しているので、フルーティなナチュラル製法の豆を使った『ファソンブレンド』『代官山ブレンド』がおすすめです。同じように発酵の香りがあるパンにも合いますよ!」(岡内氏)。早速、すき焼きの後におうちブレンドを飲んでみると、肉の旨味、醤油と砂糖の香ばしさに、ボディのしっかりとしたコーヒーの味わいの深みが加わり、豊かで心地よい余韻を残す。
さらに、岡内氏が得意とするのが、オリジナルブレンド。好みのコーヒーのタイプに合わせて、だけでなく、これまでも、本のイメージに合わせたり、イべントに合わせたブレンドなども生み出してきた。誕生日に「彼女の雰囲気に合わせて」など、なんと200gから受け付けてくれるのが嬉しい。
様々なアイデアでコーヒーの楽しみ方を提案する岡内氏。「お客様に心から喜んでほしいから」と、引き渡しの前には試飲してもらい、納得してもらったものを渡すようにしているという。ふんわりときれいにコーヒー豆の粉がふくらんだドリップが間近に見られる、木を多用した温かみのある雰囲気のコーヒースタンドは、気軽に外出できるようになったら、散歩がてらぜひ訪れたいところだ。

CAFE FACON
http://cafe-facon.jp/