
各自動車メーカーが強化する燃費事情を探る旅
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次の目的地は金沢から北東へ約60kmのところにある氷見漁港。キングオブ寒ブリと言われる“氷見の寒ブリ”のメッカだ。「旅の醍醐味は食にあり」と言ったのが誰かは知らないが、遠くへと走りたくなるモチベーションの代表格であることは間違いないだろう。
ブリ料理の名店として名高い「ひみ浜」での寒ブリのフルコースランチを頂く。近年の不漁の影響は寒ブリにも及んでおり、10kgを超えるような大物の漁獲量は年々減少傾向にあるという。ラッキーなことにこの日は10kg超の熟成ブリにありつけた。刺し身、ブリ大根、塩焼き、ブリしゃぶと、どれも聞きしに勝る旨さだった。
英気を養ったところでいざ東京へ。富山湾を臨む海岸沿いでの撮影を終えて、北陸自動車道を北上する。道中の富山県にはほたるいかで有名な滑川漁港、白エビの魚津漁港など、うまい漁港メシのオンパレードなのだが、今回はもう残された時間がない。上越から上信越道を南下、藤岡で関越道に入り、東京に向かう約500kmのルートだ。
ボルボが目指す自動車の安全機能その未来の世界が垣間見えるV90

高速道路にのると、ボルボお得意の先進運転支援システムである車間の調整を行うACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)、もしくはステアリングの操作まで行うパイロット・アシスト(車線維持支援機能)をセットする。ステアリングに手を添えているだけで運転支援を享受できる。これらの進化は長距離ドライブを圧倒的に快適で安心なものへと変えてくれた。
さらにボルボの安全に関する見識の高さを端的に表す機能が取り入れられている。それはすべてのボルボ車の最高速度を180km/hとするリミッター。これは日本においてだけではなくグローバルでの話だ。速度無制限区間のあるアウトバーンをはじめ、欧州でこの機能を取り入れるのはすなわち追い越し車線を走行できなくなることを意味する。ボルボはかねてより、新しいボルボ車に搭乗中の死亡者または重傷者をゼロにすることを目指しており、速度超過が死亡・重症事故の大きな原因の一つであることからこの措置に踏み切ったという。
技術面だけでなく、ドライバーの行動面にも焦点をあてていく新たな試みというわけだ。それを意気に感じて、道中の高速区間のほとんどは先のACCなどをセットして走行車線を走ってみた。自ずとタイヤノイズや風切り音は抑えられる。そのおかげでオプションのBowers & Wilkinsプレミアムサウンドシステムをより一層堪能できる。なかでもイェーテボリコンサートホールの中で“ゴールデンシート”と呼ばれる、もっとも音響特性に優れた座席での音を再現したコンサートモードは圧巻。
東京までの約500kmの道のりは都会の喧騒を忘れ、リラックスした状態で走り続けることができた。首都高速はいつものことながら大渋滞。途中下車して一般道を走行し燃費は少し落ちてしまったけれども最終的に11.6km/ℓは悪くない。もう一度、金沢へと誘われたら、喜んでと答えるつもりだ。